「病院のキャラクターをぬいぐるみにしたいけれど、何個から、いくらで、どこに頼めばいいのだろう」。小児科の待合や内覧会の記念品に使いたいと考えながら、最初の一歩で迷う病院の広報・事務の担当者は少なくありません。
結論から言うと、病院のオリジナルぬいぐるみは100個からの小ロットで作れ、8〜15cmの小さなサイズなら1個1,000〜1,800円ほどが目安です。作り方を覚える必要はなく、キャラクターの絵か写真があれば制作会社に頼めます。
この記事では、病院でぬいぐるみが役に立つ場面と実際の病院の事例、患者さんに喜ばれる仕様の決め方、費用と納期、配るときの注意までを順に紹介します。読み終えるころには、院内で提案できる数量と予算の目安がそろっているはずです。

病院のオリジナルぬいぐるみが役に立つ4つの場面
病院のオリジナルぬいぐるみは、小児科での処置の説明、内覧会や記念日の配布、売店での販売、広報や採用の4つの場面で役に立ちます。待合室に飾るだけで終わらせず、用途を先に決めると数量と仕様が決めやすくなります。
- 小児科・小児病棟で処置の説明や不安の軽減に使う
- 内覧会や開院・周年の記念品として配る
- 売店やイベントで販売してキャラクターを広める
- 広報・採用の顔にして職員も巻き込む
ぬいぐるみは「かわいい備品」ではなく、患者さんと職員と地域をつなぐ道具です。場面ごとに、必要な数と大きさ、洗えるかどうかが変わります。
小児科・小児病棟で処置の説明や不安の軽減に使う
注射や検査を前にした子どもは、何をされるのか分からないことが一番の不安ですよね。大阪母子医療センターの「プレパレーションガイド」によると、同センターのホスピタル・プレイ士は、ぬいぐるみや写真、玩具、実物の医療資材、絵本などを使って子どもの理解を助けています。
日本小児放射線学会雑誌に2025年に載った論文も、2〜7歳の子どもには、ごっこ遊びにのせて実際の医療器具やぬいぐるみを使い、検査や治療のリハーサルを行う方法を挙げています。病院のキャラクターのぬいぐるみなら、説明用の人形と「院内で会える存在」を1体で兼ねられるのが強みです。
海外には、子どもが自分のぬいぐるみを患者役にして模擬の診察を体験する「テディベア病院」という取り組みがあります。イスラエル医師会の雑誌IMAJに2008年に載った研究では、参加した3〜6歳の41人は、参加しなかった50人と比べて、1週間後に測った入院への不安が低くなっていました。
内覧会や開院・周年の記念品として配る
新しく開く病院やクリニックの多くは、開院前に地域の人を招く内覧会を開きます。三越伊勢丹の法人向けサイトの記事は、地域に知ってもらい信頼を高めるために、内覧会の記念品を準備しておくことをすすめています。
ボールペンやエコバッグも実用的ですが、病院の名前と顔を覚えてもらう力は、キャラクターのぬいぐるみのほうが強いです。8〜15cmのマスコットなら持ち帰りやすく、100個単位でも予算に収まりやすいですよ。
開院や周年の記念、病院祭の景品、小児科の受診を頑張った子どもへのごほうびにも使えます。ノベルティ向きの形は、ノベルティ用ぬいぐるみの選び方の記事でも紹介しています。配り方の決まりは、後の「病院で配る・置くときの注意」で説明するので、そちらも読んでください。
売店やイベントで販売してキャラクターを広める
洛和会ヘルスケアシステムの公式キャラクター「らくの助」は、公式サイトによると、ぬいぐるみなどのグッズを院内販売とオンラインで買えます。地域の小学校や保育園の飛び出し注意看板にもなり、病院フェスティバルや行政のイベントにも登場しています。
売店で売るなら、原価と売価、仕入れる数を先に決めておきましょう。例えば1個1,500円で100個作ると原価は15万円で、売価はここに送料や売店の手間を足して考えます。
広報・採用の顔にして職員も巻き込む
キャラクターは患者さん向けだけのものではありません。松本市立病院の「はたまるくん」は病院祭の来場者投票で選ばれ、病院のお知らせでは広報誌や病院が参加する行事に登場するかもしれないと案内しています。
ぬいぐるみがあれば、採用説明会や学校訪問のブースに置けて、SNSの写真にも使えます。職員が「うちのキャラクター」と胸を張れることも、長く使ううえで大切なポイントです。
病院のキャラクターは増えている|公募からぬいぐるみ化までの事例
病院のキャラクターは、全国規模のコンテストが毎年開かれるほど増えていて、院内公募で決める病院や、ぬいぐるみにして販売する病院も出てきています。自院で進めるときの参考になる事例を紹介します。
| 病院・法人 | キャラクター | 決め方と使われ方 |
|---|---|---|
| 洛和会ヘルスケアシステム | らくの助・ワルの助 | ぬいぐるみなどのグッズを院内販売。看板やイベントにも登場 |
| 静岡県立総合病院 | 県総けんぞう | 院内公募の53作品から投票と審査で採用 |
| 松本市立病院 | はたまるくん | 病院祭の来場者投票で決定。広報誌や行事への登場を案内 |
| 京都桂病院 | かつらちゃん・ゲノム博士 | 患者さんと地域と職員をつなぐ役割。デザインの使用料は無料 |
| 都立墨東病院(小児科) | 赤ちゃんをモチーフにしたキャラクター | 看護師の手作りぬいぐるみをイラスト化し、付箋やパンフレットに展開 |
病院ゆるキャラ総選挙には毎年20以上のキャラクターが集まる
一般社団法人 病院マーケティングサミットJAPANが開く「病院ゆるキャラ総選挙」には、公式サイトによると2024年は36キャラクターがエントリーし、2025年は24キャラクターが出場しました。2027年大会も、2026年11月と12月のオンライン予選、2027年2月の決勝という日程が決まっています。
2025年の1位は洛和会音羽病院の「ワルの助」でした。かわいさだけでなく、病院や地域でどう活躍しているかが評価される大会で、2024年大会は全日本病院学会の広報委員会が後援しています。
院内公募や来場者投票で決める病院が多い
静岡県立総合病院の「県総けんぞう」は、病院のページによると、院内で公募した53作品を広報委員会の投票で9作品に絞り、院長と副院長の審査で決まりました。松本市立病院の「はたまるくん」は、病院祭の来場者投票で選ばれています。
職員や患者さんが選んだキャラクターは、ぬいぐるみにしたときの愛着が違います。公募の段階で「ぬいぐるみにしやすい形か」も見ておくと、あとの制作が進めやすくなりますよ。
看護師の手作りぬいぐるみからキャラクターが生まれた例もある
都立墨東病院の小児科のキャラクターは、担当したイラストレーターの制作記録によると、看護師が子どもたちのために作った赤ちゃんのぬいぐるみが元になっています。ぬいぐるみをイラストにして、付箋やパンフレット、手提げ袋に展開した例です。
現場で生まれた手作りの1体を、同じ姿で100個にそろえるのがOEMの役割です。原画がなくても、写真から仕様を起こせます。
ぬいぐるみにして院内で販売している例
先ほどの「らくの助」は、グッズの一つにぬいぐるみがあり、院内販売とオンラインで購入できます。キャラクターの認知が広がると、ぬいぐるみは子どもにとって「病院に行く楽しみ」の一つにもなり、通院のハードルを下げる効果も見込めるでしょう。キャラクターの絵をぬいぐるみに起こすときの手順は、キャラクターのぬいぐるみの作り方でくわしく紹介しています。
患者さんに喜ばれる病院のぬいぐるみの決め方
病院のぬいぐるみは、用途に合う大きさ、洗える生地、取れる部品のない作り、はっきりした色と形の4点で決めます。かわいさより先に、清潔に保てて安全かどうかを確かめてください。
- 大きさは配るか置くかで決める
- 洗える生地と取れない部品で安全にする
- 色と形は再現しやすくはっきりと
- 病院名やロゴは刺繍やタグに入れる
大きさは配るか置くかで決める
内覧会や小児科で配るなら、8〜15cmのマスコットサイズが持ち帰りやすく、ボールチェーンを付ければかばんにも下げられます。待合室やプレイルームに置く、ベッドサイドで抱えてもらうなら、20〜30cmの抱えやすい大きさが向いています。
受付カウンターや売店の目印なら、40cm以上の大きなサイズも作れますが、大きいほど単価は上がるので、用途ごとに数量と大きさの組み合わせを決めましょう。
洗える生地と取れない部品で安全にする
病院で使うなら、洗える生地と洗い方を最初に決めておきます。日本環境感染学会誌に2025年に載った研究によると、乳幼児健診で使った布製の玩具は、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムに浸す方法と、洗剤で洗う方法で細菌が減りました。
目や鼻はプラスチックの部品ではなく刺繍にすると、取れて口に入る心配がありません。6歳未満の子どもが手にする品は、おもちゃの安全基準も関わります。詳しい決まりはSTマークとぬいぐるみの安全基準の記事にまとめました。
色と形は再現しやすくはっきりと
ぬいぐるみは布と綿でできているので、グラデーションや細かい模様、複雑なポーズは再現しにくくなります。はっきりした色を使い、細かいパーツは簡略化し、ポーズは立つか座るかの簡単な形にするのがコツです。
表情は、不安な子どもが手に取ることを考えて、口元が笑っている穏やかな顔が喜ばれます。白衣や聴診器など病院らしい小物は1つに絞ると、キャラクターが引き立ちます。
病院名やロゴは刺繍やタグに入れる
病院名やロゴは、足の裏や背中への刺繍、または布タグに入れるのが定番です。胸に大きく入れるとノベルティ感が強くなるので、患者さんが手元に置きたくなる控えめな入れ方を選びましょう。
名前や日付を1個ずつ変える刺繍は、仕様によって対応が変わるので、見積もりの段階で相談してください。目や顔の刺繍の決め方は、ぬいぐるみの刺繍の記事でも紹介しています。
費用と数量の目安と、注文から納品までの流れ
病院のオリジナルぬいぐるみは、RONECTの参考料金で、100個注文時に8〜15cmのサイズが1個1,500〜1,800円です。約8cmの参考例では約1,000円とあるので、小さなマスコットなら1個1,000〜1,800円ほどを目安にしてください。
RONECTの参考料金(100個注文時)
| サイズの目安 | 100個注文時の参考料金 |
|---|---|
| 8〜15cm | 1,500〜1,800円 |
| 20〜30cm | 2,000〜3,000円 |
| 40cm | 3,000〜4,000円 |
| 80cm | 15,000円〜 |
この表はRONECTのぬいぐるみ制作ページの参考料金で、サイズや仕様、数量、作りの複雑さで変わります。サンプル代は別に20,000〜30,000円かかり、海外生産のため為替の影響も受けます。
例えば8〜15cmのマスコットを100個作る場合、本体が15万〜18万円で、これにサンプル代が加わる計算です。正確な金額は、仕様を伝えて見積もりで確かめてください。
1個から作る工房と100個のOEMの違い
「まず1個だけ作りたい」という場合は、1体ずつ手作りする工房に頼む方法もあります。ただし1体あたりの価格は量産より高く、同じ姿で数をそろえる用途には向きません。
配る、売る、各病棟に置くといった用途なら、最初から100個のOEMで作るほうが1個あたりの費用は下がります。RONECTのぬいぐるみは100個から注文でき、500個からはさらに安くなる料金体系です。小ロットの考え方は、ぬいぐるみOEMは何個からの記事で詳しく説明しています。
費用を抑える3つのコツ
費用を抑えるコツは、サイズを小さくする、色数と細かいパーツを減らす、数量をまとめる、の3つです。小児科用と内覧会用を同じ仕様で合わせて作れば、1回の発注で単価を下げられます。
注文から納品までの流れと期間
- 問い合わせとヒアリング(商品、デザイン、サイズ、数量、希望納期)
- AIによる完成イメージ画像の作成(無料)
- 見積もり
- サンプル制作と確認
- 修正と最終確認
- 量産と検品
- 輸入と国内納品
RONECTでは、キャラクターの絵やロゴを伝えると、AIを使った完成イメージ画像を無料で作成します。サンプルを作る前にぬいぐるみになった姿を見られるので、院内会議での説明に使えて便利です。AIの画像は完成イメージなので、実際の製品とは形や色が異なる場合がある点は知っておいてください。
制作期間の目安は、サンプル約2週間、量産約30〜40日で、全体では約2〜3か月です。これはRONECTのサービス資料にもとづく目安で、仕様や修正の回数、数量、輸送の状況で前後します。
内覧会や開院日、周年の式典に合わせるなら、その日から逆算して3か月以上前に相談してください。中国語に対応できる日本人の担当者が提携工場と直接やり取りするので、細かな修正の希望も伝わりやすい体制です。依頼先の選び方まで含めた全体の流れは、オリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用の記事にまとめています。
病院で配る・置くときの注意
病院のぬいぐるみは、保険診療の決まり、感染対策、著作権、安全基準の4つを先に確かめておくと安心です。どれも作ってから直すのは難しいので、企画の段階で担当部署に相談しましょう。
保険診療の病院は受診の誘引にならない配り方にする
保険診療を行う病院には「保険医療機関及び保険医療養担当規則」という決まりがあり、その第2条の4の2で、経済上の利益の提供によって患者さんが自院で受診するよう誘引することを禁じています。一般に行われている配り方は、次のとおりです。
- 開院前の内覧会で来場者に渡す記念品
- 病院祭やイベントの景品
- 売店での販売
- 待合室やプレイルームに置く備品
受診した人だけに高価な品を渡すような形は避け、記念品や備品、販売といった形にするのが基本です。判断に迷うときは、配り方を決める前に事務部門や顧問の専門家に確かめてください。
共用で置くなら洗濯と消毒の決まりを作る
入院中の持ち込みについては、日本大学病院の小児科病棟がほこりが増える原因になるとしてぬいぐるみの持ち込みを控えるよう案内し、大阪市の貴生病院は寝具やクッション、ぬいぐるみを1週間に1回クリーニングに出すよう求めています。
待合室やプレイルームに共用で置くなら、週1回は洗う、汚れたらすぐ替える、予備を持つ、といった決まりを作っておきましょう。1人1個で配る形にすれば、共用の管理は要りません。
他人のキャラクターや既存のデザインを無断で使わない
アニメのキャラクターや有名なゆるキャラに似せたデザインは、著作権を侵害するおそれがあり、制作会社に断られます。職員や地域から公募した絵を使うときも、応募規約で著作権の扱いを決めておくと安心です。詳しくは、ぬいぐるみの著作権の記事で解説しています。
6歳未満の子どもが手にする品は安全基準を確かめる
食品衛生法では、6歳未満の乳幼児が遊ぶぬいぐるみは基本的に「指定おもちゃ」に当たり、材料の規格や輸入の届出の決まりの対象です。小児科で配るなら、材料が基準に合うか、取れる部品がないかを制作会社に確かめてください。
歯科医院・薬局・クリニックでも同じ型で作れる
病院に限らず、歯科医院、薬局、クリニック、介護施設でも、同じ流れでオリジナルのぬいぐるみを作れます。施設ごとに用途が少し変わるので、違いを押さえておきましょう。
歯科医院は歯みがき指導と通院のごほうびに使う
歯科医院のキャラクターは、子どもの歯みがき指導や「歯医者さんは怖くない」と伝える役に向いています。東京都千代田区の稲葉歯科医院は、開院10周年の記念に公式キャラクター「ゆーり」のイラストを公募し、診察カードや歯ブラシ、コップなどのグッズに活用すると発表しました。
大きな歯の模型と一緒に歯みがきの説明に使ったり、治療を頑張った子どもに小さなマスコットを渡したりすると、キャラクターが通院の楽しみになります。
薬局はお薬手帳と一緒に渡す小さなマスコットが向く
薬局のノベルティは、お薬手帳ケースやティッシュが定番です。そこに薬局のキャラクターの小さなマスコットを加えると、子どもの服薬の励ましになり、家に持ち帰っても薬局の名前が目に入ります。
マスコットキーホルダーなら8cm前後で作れて、お薬手帳に付けて持ち歩けるのが利点です。作り方と費用は、オリジナルぬいぐるみキーホルダーの記事で紹介しています。
保険調剤を行う薬局にも「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」に同じ趣旨の決まり(第2条の3の2)があります。配り方は病院と同じく、記念品や備品の形を基本にしてください。
クリニックや介護施設は配布か設置かで仕様を変える
クリニックの内覧会やキッズスペースは病院と同じ考え方で、配るなら小さく、置くなら洗える大きめのものにします。介護施設では、入居者が抱えて安心できる手ざわりと洗いやすさが優先です。選び方は、介護にぬいぐるみを使うときの記事で詳しく説明しています。

お見舞いの品としてのぬいぐるみの制作例は、次の商品ページで見られます。
まとめ
病院のオリジナルぬいぐるみは、小児科での説明、内覧会の記念品、売店での販売、広報や採用の4つの場面で役に立ちます。洗える生地と取れない部品、はっきりした色と形で作り、保険診療の決まりと感染対策、著作権、安全基準を先に確かめておけば、院内の企画として通しやすくなるでしょう。
まずは、どの場面で何個使うかを書き出し、キャラクターの絵か写真を用意してください。
株式会社RONECTでは、病院や施設のオリジナルぬいぐるみを100個から承り、AIによる完成イメージ画像の作成から国内への納品まで日本人の担当者がサポートしています。内覧会や周年の日程が決まっている方も、お気軽にご相談ください。

