「お店のロゴを入れたクッションカバーを作りたいけれど、何から決めればいいのだろう」。オリジナルのクッションカバーを作ろうと思っても、今ある中身に合う大きさが分からない、写真やロゴをきれいに刷れる生地はどれか、と不安が先に立つ方も多いはずです。毎日使ううちに色があせたり、洗って色が移ったりしないかという心配も重なります。
そこで本記事では、中身に合わせた大きさと閉じ方、絵柄に合う印刷と名入れの方法、色の強さと洗濯の確かめ方を順に整理します。見積もりの前に仕様を決められるので、制作会社との話もスムーズに進むはずです。
あわせて、入稿データと見本の確かめ方、品質表示や防炎、写真の権利の決まりも同じ流れで解説します。
クッションカバーは中身の大きさと閉じ方で決める
オリジナルのクッションカバーは、まず入れる中身の大きさと、口をファスナーで閉じるか布を重ねる封筒型にするかを決めます。カバーだけ作るか中身ごと作るかもこの段階で決めておくと、見積もりが早く進むでしょう。
中身はカバーより少し大きいとふっくら見える
カバーは入れる中身より少し小さく作ると、ふっくらした形に仕上がりやすくなります。生地メーカーのコッカが公開している作り方では、45cm角のカバーに50cm角の中身を入れる設計です。
どれだけ大きくするかに決まりはなく、わたや羽根、ウレタンなど中身の素材でも張り具合が変わります。
売られているカバーの大きさを見ると、JR東日本の大宮総合車両センターが座席の張り替えで出た生地の端材で地元の会社と作ったカバーは、45×45cmと45×30cmでした。JR東海リテイリング・プラスのカバーは約45cm角です。
今ある中身に合わせるなら実寸を測る
今あるクッションのカバーだけを替えるなら、中身の実際の大きさを測ってから注文します。わたの量や素材で、同じ表示の大きさでもふくらみ方が変わるためです。
測るときは中身を平らな台に置き、縫い目から縫い目までの縦と横を測りましょう。厚みも控えておくと、カバーの大きさを相談しやすくなります。
いくつもの店で同じカバーを使うなら、店ごとの中身の大きさがそろっているかも確かめておくと、1種類のカバーで済みます。
ファスナーか封筒型かで見た目と扱いが変わる
口の閉じ方は、ファスナーか、後ろの布を重ねて入れ口にする封筒型かが基本です。YKKによると、コンシールファスナーは閉じたときにかみ合う歯や縫い目が隠れ、表に出ない作りです。
封筒型は、手芸用品メーカーのクロバーの作例のように布を重ねて作り、金具がありません。中身の出し入れがしやすいので、洗い替えの多い店やホテルでも扱いやすい形です。
ファスナーは口がきちんと閉じて見た目が整います。キッズスペースのように子どもが触る場所に置くなら、金具の位置も確かめておきましょう。
カバーだけ作るか中身ごと作るかを決める
中身ごと作れば、カバーと中身の大きさのずれを心配せずに済みます。JR東日本は2025年7月、新幹線の補修用の座席生地で作ったクッションを、中わたまで入れて35個と90個の限られた数で売り出すと発表しました。中身ごと作るクッションの形と印刷の選び方は、オリジナルクッションの作り方で紹介しています。
カバーだけなら、今ある中身をそのまま使えます。十日町市博物館が通販会社と企画した火焔型土器の形のカバーも、タオルなどを詰めて使う作りです。
店やホテルで洗い替えをするなら、使う数に予備のカバーを足して頼むと、洗っているあいだも同じ見た目を保てます。ホテルや旅館で配る品・売る品の選び方は、ホテル・旅館のノベルティの選び方で紹介しています。
クッションカバーの印刷と名入れは絵柄で選ぶ
写真や全面の絵ならポリエステルの生地に昇華転写、綿や濃い色の生地なら顔料で直接刷る方法、同じロゴを多く刷るならシルクスクリーン、上品に見せたいなら刺繍が目安です。絵柄と生地の組み合わせで、選べる方法が決まります。
写真や全面の絵はポリエステルに昇華転写
写真や全面の絵を入れるなら、ポリエステルの生地に昇華転写で刷る方法が向いています。昇華転写は、熱と圧力で染料を気体にして生地を染める印刷です。インクジェットで刷った転写紙から写すので、版を作らずに刷れます。
ただし、プリンターメーカーのミマキは、昇華転写が使えるのはポリエステル系の素材だけで、濃い色の生地には向かないとしています。熱で押さえるため、プレスの跡が残る場合もある点に注意が必要です。
写真入りのカバーにするなら、白や淡い色のポリエステル生地を選ぶと、色がきれいに出やすくなります。
綿や濃い色の生地には別の刷り方を選ぶ
綿の生地に昇華転写をしても、色はほとんど入りません。昇華転写に使う分散染料は、水をはじく合成繊維を染めるための染料で、水になじむ天然繊維には染まらないためです。
綿とポリエステルを混ぜた生地も、京都市産業技術研究所の報告によると、染める条件が違うため片方の色が薄くなりやすいとされます。
綿や黒・紺の生地に刷るなら、顔料のインクで布に直接刷る方法があります。ミマキによると色の付いた生地にも刷れる一方、前処理の跡やにおいが残る場合があるので、見本で確かめましょう。
同じロゴを大量に刷るならシルクスクリーン
同じロゴを多く刷るなら、シルクスクリーン印刷が候補です。コニカミノルタの技術報告によると、スクリーンの捺染は色の数だけ型が要って初めの費用がかかる一方、大量生産に向いています。
反対にインクジェットは型を作らないので、初めの費用と手間が小さく、少ない数に向きます。インクの費用は高めとされるため、数が増えるなら型を作る方法と見積もりを比べましょう。
ロゴの色の数が少ないほど型も少なくて済むので、色数を絞ったデザインにすると費用を抑えやすくなります。
ロゴや文字の高級感を出すなら刺繍
ロゴや店の名前を上品に見せたいなら、刺繍が向いています。糸で縫い表すので、印刷とは違う立体感が出るのが魅力です。
刺繍機メーカーのタジマによると、レーヨンの糸は光沢がある一方で漂白剤に弱く、ポリエステルの糸は丈夫ですがややマットで熱に弱い性質があります。業務で漂白剤を使って洗うなら、糸の種類も制作会社に聞いておきましょう。
4つの方法の向き不向きをまとめると、次のとおりです。
| 方法 | 向く絵柄 | 強み | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 昇華転写 | 写真・全面の絵 | 版を作らずに刷れる | ポリエステル系の生地だけ |
| 顔料の直接プリント | 写真・ロゴ | 綿や濃い色にも刷れる | 前処理の跡やにおい |
| シルクスクリーン | 色数の少ないロゴ | 大量生産に向く | 色の数だけ型が要る |
| 刺繍 | ロゴ・文字 | 立体感が出る | 糸により漂白剤や熱に弱い |
店やホテルで使うなら色の強さと洗濯を確かめる
毎日使うカバーは、光や洗濯で色が落ちにくいかを、生地の試験の等級で確かめます。等級は法律の基準ではありませんが、検査機関が目安を示しているので、見積もりのときに聞くと生地どうしを比べやすくなります。
日の当たる場所に置くなら耐光の等級を聞く
窓ぎわのソファやロビーに置くなら、光で色があせにくいかを示す耐光の等級を聞きましょう。検査機関のカケンテストセンターによると、等級は1〜8級で、数が大きいほど光に強い生地です。
同センターは、カーテン以外のインテリア用品や寝具の目安を3級以上、カーテンの目安を4級以上としています。日が当たり続ける場所なら、カーテン並みの4級以上を目安にすると安心でしょう。
光で色が変わりやすい生地なら、「直射日光が長く当たる所に置かない」といった注意をタグや説明に添える方法もあります。
洗い替えするなら洗濯と摩擦の等級を見る
洗い替えをするカバーは、洗濯で色が変わらないか、ほかの洗濯物に色が移らないかを、洗濯の等級で確かめるのが基本です。カケンテストセンターは、色の変化は4級以上、色移りは3級以上を目安に挙げています。
座ったときに服へ色が移らないかは、こすれに対する摩擦の等級が手がかりです。国民生活センターが2023年に公表した、相談のあった黒いマスク1件のテストでは、ポリエステルなどの素材でも、洗濯と乾いた摩擦の色移りの等級が衣料品の基準を参考にした値を下回っていました。素材がポリエステルでも、等級は生地ごとに確かめましょう。
濃い色と淡い色を組み合わせた柄は、濡れたときに濃い色がにじむ色泣きが起きることもあります。濃淡のはっきりしたデザインなら、見本を一度洗って確かめると安心です。
洗濯表示は今のJISの記号で付ける
長く使うカバーには、洗い方を示す洗濯表示を付けておくと親切です。記号はJIS L 0001で決まっていて、洗濯のおけ、漂白の三角、乾燥の四角、アイロン、商業クリーニングの丸の5つを基本にしています。
表示は縫い付けのタグや熱で貼るシールで付け、タグを付けられないときは、すぐに取れない方法で生地に直接刷る方法もあると消費者庁は説明しています。記号は2024年8月20日から新しいJISに基づく表示になりました。
表示が義務の品目では、古い表示が使えるのは2025年8月19日までに付けた品だけです。任意で付けるカバーも、古い雛形を使い回さず、今のJISの記号に合わせましょう。
データと見本でカバーの仕上がりを確かめる
写真やロゴを入れるカバーは、画素数・塗り足し・色の3つをデータの段階で整え、最後は見本で確かめます。量産に入ってから直すのは難しいので、ここで手間をかけるほど仕上がりの失敗を防げるはずです。
写真は大きさに合う画素数で用意する
写真を入れるなら、カバーの大きさに対して画素数が足りるかを先に確かめます。ppiは、1インチ、約2.54cmの幅に並ぶ画素の数です。キヤノンは、インクジェットで刷る写真の目安を200〜300ppiとし、大きく刷るなら300ppiを少し下回っても十分で、A2なら200ppiでも十分としています。
計算すると、45cmの幅いっぱいに200ppiで刷るには、横に約3,540画素が必要です。写真の一部を切り抜くと画素数が減るので、スマートフォンで撮った写真も、切り抜く前の元の写真のまま渡すのが安全です。
塗り足しと縫い目の位置はテンプレートに従う
全面に絵を入れるなら、仕上がりの線より外まで絵を伸ばす塗り足しを付けます。アドビの手引きは、紙の一般的な商業印刷で塗り足しを3〜5mmとしています。
布のカバーは縫い代の分も縫い込まれるので、塗り足しの幅は紙と同じとは限りません。幅と、文字やロゴを縫い目から離す位置は、依頼先のテンプレートに合わせましょう。
ファスナーや封筒型の布の重なりにかかる位置には、顔や文字を置かないようにします。
画面と布で違う色の見え方は見本で確かめる
画面で見た色と布に刷った色は、同じには見えません。キヤノンの用語集によると、画面は光の三原色を足して色を出す加法混色、印刷はインクの三原色を重ねる減法混色で、色の作り方が違います。
店のロゴの色を合わせたいなら、色の番号を伝えたうえで見本を作ってもらい、店の照明の下で確かめましょう。生地の地の色や手ざわりでも見え方が変わるので、見本は実際に使う生地で作ってもらうと安心です。
店や施設で使う・売るときの決まり
クッションカバーは、品質表示の対象の一覧にも、ホテルや飲食店の防炎の義務にも名前がありません。ただ売る場合や施設に決まりがある場合は確かめることがあり、写真やロゴの権利はどの使い方でも確かめておきます。
品質表示の一覧にクッションカバーの名は無い
家庭用品品質表示法で表示が要る品目の一覧に、クッションカバーの名前はありません。カバーで名前があるのは布団カバーや枕カバーなどで、枕カバーの品目は、主に寝具に関係があるカバー類とされています。
消費者庁は、店で配るノベルティなどの景品や、お客様と対面で仕様を決めて作るオーダーメイドは、一般に対象外と説明しています。店が作らせたカバーを商品として売る場合は、このオーダーメイドには当たりません。
中わた入りの座布団は品目の「布団」に入るため、それを包むカバーは「布団カバー」に、枕カバーとして売る品は「枕カバー」に当たりえます。売るなら素材・洗濯表示・会社名のタグを付け、迷ったら消費者庁に確かめましょう。
防炎の義務はカーテンなどでカバーは対象外
ホテルや飲食店で防炎性能が義務になるのは、カーテンやじゅうたんなどの防炎物品で、クッションやそのカバーは入っていません。寝具などの防炎製品は、消防庁が使うよう勧めているものの、義務ではありません。
施設の決まりで防炎の品を求められたら、見積もりの前に伝えるのが先決です。日本防炎協会は、防炎の生地でも印刷したものは別に試験が要るとしています。
同協会の区分では、取り外して洗う布張り家具のカバーなどに、洗ったあとの性能も求めています。こうした試験のぶん、費用と日数は増えると考えておきましょう。
写真やロゴは権利を持つ人の許可を取る
カバーに入れる写真の著作権は、もともとは撮った人にあります。店の社員が仕事で撮った写真は、条件によって会社のものになります。
著作権情報センターによると、撮影を頼んで料金を払っても、依頼した側が当然に著作権を得るわけではありません。カメラマンに頼んだ写真は、使い方を契約で決めておきます。
写っている人がいれば、その人の了解も取りましょう。店のロゴでも、デザイン会社に作ってもらったものなら、グッズに使えるかを契約で確かめておくと安心です。他人のキャラクターを無断で使えないことは、ぬいぐるみの著作権の記事で詳しく紹介しています。
オリジナルのクッションをRONECTに頼む場合
株式会社RONECTは、オリジナルぬいぐるみを作る会社で、中身ごと作るクッションも1個から受けています。クッションカバーだけを作れるかと、クッションの料金は、大きさと数を伝えて見積もりの相談で確かめてください。
クッションもぬいぐるみも1個から相談できる
RONECTのクッションの商品ページでは、クッションを1個からオーダーメイドで受けると案内しています。コットンやリネン、ベルベットなど素材で雰囲気が変わることや、刺繍やワッペンで飾る方法も紹介しています。
大きさや生地、刺繍、綿の量、付属品、包装まで、使い道と予算に合わせた提案が可能です。店のキャラクターのぬいぐるみやマスコットキーホルダーも、あわせて相談できます。
ぬいぐるみの参考料金と期間の目安
RONECTのぬいぐるみの参考料金は、100個注文したときで高さ8〜15cmが1個1,500〜1,800円、20〜30cmが2,000〜3,000円です。約8cmで1個約1,000円の例もあり、サンプル代が別に20,000〜30,000円かかるほか、配送費が別になる場合や為替で料金が変わる場合もあります。
料金の表はRONECTのぬいぐるみ制作のページにあり、500個からは1個あたりの価格が安くなります。1個のときの料金とクッションの料金は、仕様と数をうかがって見積もる形です。
期間はRONECTの場合、サンプルに約2週間、量産に約30〜40日、全体で約2〜3か月が目安で、クッションの商品ページも同じ目安を案内しています。仕様や修正の回数、数、輸送の状況で前後するので、開業日やイベントの日が決まっているなら早めにご相談ください。
AIの完成イメージと日本人の担当者
ご希望をうかがって、AIで完成イメージの画像を無料で作っています。見本の前に店のオーナーや社内の打ち合わせで見せられ、案をまとめやすくなります。画像はイメージのため、実物と形や色が違う場合がある点はご注意ください。
中国の提携工場と組み、サンプルから検品・輸入・国内への納品まで引き受けます。細かな直しは中国語に対応できる日本人の担当者が工場に直接伝える体制で、頼む流れはオリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用で紹介しています。店のノベルティにぬいぐるみを選ぶなら、ノベルティ用ぬいぐるみの選び方も役立つはずです。
まとめ
オリジナルのクッションカバーは、中身より少し小さめの大きさと閉じ方を決め、写真や全面の絵ならポリエステルに昇華転写、ロゴを上品に見せるなら刺繍と、絵柄で刷り方を選びます。店やホテルで使うなら、耐光や洗濯の等級も見積もりのときに聞いておきましょう。
まずは中身の実寸と使う数、入れたいロゴや写真をそろえ、見本で色を確かめる日数も含めて相談を始めてください。
株式会社RONECTでは、クッションやぬいぐるみを1個から、100個以上の量産まで承っています。店のグッズづくりも、お気軽にご相談ください。

