「来場者に配るクッション、どんな形なら使い続けてもらえるだろう」。スタジアムクッションを作ると決めても、薄い折りたたみ型と厚手の型のどちらがよいのか、雨の日の屋外でも傷まないのか、不安が先に立つ方も多いはずです。チームやスポンサーのロゴをどこまで入れてよいのか、配る試合に間に合うのかという迷いも重なります。
そこで本記事では、スタジアムクッションの3つの型と屋外で使う生地、名前やロゴの入れ方を、プロのクラブの配布品や販売品の例とともに整理します。座席の幅や撥水の等級といった同じ物差しで比べられるので、型を決めるときの手がかりになるはずです。
あわせて、配る数と試合日から逆算する日程、景品の上限や会場の決まりも同じ流れで解説します。
スタジアムクッションは形と中身で3つに分かれる
スタジアムクッションは、薄い素材の折りたたみ型、ウレタンを厚く入れた厚手の型、綿を詰めた綿入りの型の3つに大きく分かれます。大勢に配るなら薄型か圧縮できる綿入り、売り物として座り心地を出すなら厚手、と使い道から選ぶのが決めやすい方法です。
薄い折りたたみ型は畳んで持ち帰りやすい
薄い折りたたみ型は、畳んで小さくできるので持ち帰ってもらいやすい形です。浦和レッズが2025年9月に会員のポイント交換品として案内したクッションは37.5×27cm・厚さ8mmで、素材はウレタンとEVA樹脂でした。
このクッションには名前を書く欄があり、片面がメッシュの巾着に入れて持ち運べます。メッシュなら、濡れたクッションをしまっても袋に水がたまりません。
Bリーグの茨城ロボッツは、ロゴとマスコットの絵を入れた35cm角の折りたたみ型を、2025年9月13日から税込み1,600円で売り出しました。ゴムバンドで畳んだ形のまま留められ、アリーナで観戦するときの腰掛けとして案内しています。
厚手の型は長い試合でも座りやすい
厚手の型は、試合のあいだ長く座る人に向きます。日本野球機構によると、2026年のプロ野球の平均試合時間は、9回で終わった試合で3時間4分でした。
FC東京が2022年に売店で扱ったクッションは約32cm角・厚さ35mmで、中身はウレタンフォームです。座面を凸凹にして、座ったときの重さが1か所に集まらないようにしていました。
長い試合で座り心地を大切にしたいなら、厚手の型が候補になります。ただ厚いぶんかさばるので、収納袋を付けるかも一緒に決めておきましょう。
綿入りの型は圧縮して入場口で手渡せる
綿入りの型は柔らかく、圧縮すれば大きめでも入場口で手渡せます。パ・リーグ.comによると、千葉ロッテマリーンズは2026年6月28日の試合で、丈約35cm・幅約13cmの綿入りの「もちもちクッション」を付けたチケットを先着15,000枚出す企画でした。クッションは、圧縮した状態で配る予定と案内されていました。
ひざに置いたり背中に当てたりする使い方も案内され、座る以外の使い道を伝えやすい型です。北海道日本ハムファイターズも、中身は公表していないものの、約45cm角のクッションを圧縮した状態で入場ゲートで渡すと告知していました。
型は配る数と座席の幅に合わせて選ぶ
3つの型は、配る数と使い道に合わせて選びます。違いをまとめると次のとおりです。
| 型 | 中身の例 | 長所 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 薄い折りたたみ型 | ウレタン・EVA樹脂 | 畳んで運べる | 大勢に配る |
| 厚手の型 | ウレタンフォーム | 長く座りやすい | 売店で売る |
| 綿入りの型 | ポリエステルの綿 | 柔らかく使い道が広い | 会員特典やチケット付き |
どの型でも、横幅は座席に収まる大きさにします。2026/27年度用のJリーグスタジアム基準はベンチシートの1席の幅を45cm以上としていて、ベガルタ仙台が2026年4月の試合で配ると告知したクッションも横44cmでした。横幅を45cm以内にしておけば、隣の人の席にはみ出しにくくなります。観戦用以外のクッションも含めた形と印刷の選び方は、オリジナルクッションの作り方で紹介しています。
屋外のスタジアムで使う生地と手入れ
屋外で使うスタジアムクッションは、撥水の生地でウレタンを覆う作りにし、撥水の性能と加工の薬剤を制作会社に確かめておきます。屋根の無い席でも使え、配ったあとも長く使ってもらえる品になるでしょう。
撥水は試験の等級と洗ったあとの性能で比べる
屋外で使うクッションは、雨にぬれても水を吸いにくい撥水の生地を選び、性能は試験の等級で比べます。Jリーグスタジアム基準は、新しく造る・大きく改修するスタジアムに原則すべての観客席を覆う屋根を求めていますが、クラブライセンスの基準には観客席の3分の1以上を覆う等級もあります。屋根の無い席が残る会場もあるので、雨にぬれる前提で生地を選びましょう。
撥水は、水を生地にしみ込ませず、玉のまま転がり落とす性質です。京都府の試験機関によると、国の規格であるJIS L 1092のスプレー試験では、45度に傾けた生地に水をかけ、ぬれ具合を1〜5級の見本と比べて判定します。
消費者庁の表示の決まりで「はっ水」の表示基準があるのはコート類だけで、クッションの「撥水」には家庭用品品質表示法の基準がありません。言葉だけで比べず、何級か、洗ったあとも性能が続くかを制作会社に聞いておくと安心です。
ウレタンは日に当たると色が変わるので布で覆う
ウレタンは日光で表面の色が変わりやすいので、布のカバーで覆う作りにするのが基本です。ウレタンフォーム工業会によると、夏の直射日光の下では数時間で変色が分かり、カバーなしで日に当て続けると表面からボロボロしてくることもあります。
変色してもすぐに性能が落ちるわけではありませんが、倉庫の中でも数週間から数か月で色は変わります。作ってから配るまで日が空くなら、光の当たらない場所に箱のまま保管しておくと安心です。
受け取った人への手入れの案内も添えましょう。ウレタンは石けん水や洗剤に長く浸けておくと少しずつ傷み、塩素系の漂白剤も使えないため、「浸け置き洗いをしない」「漂白剤を使わない」とタグや説明書に書いておくと親切です。
撥水加工の薬剤が輸入の規制に当たらないか確かめる
海外の工場で撥水加工をするなら、使う薬剤が日本の輸入の規制に当たらないかを確かめます。化学物質の扱いを定める化審法では、PFOAというフッ素の化合物は以前から対象です。2025年1月10日からは、PFOAに関連する物質を使って撥水の処理をした生地や衣服も輸入できなくなりました。
2026年6月17日からは、PFHxSという別のフッ素の化合物を使って撥水の処理をした生地など10種類の製品も輸入できません。挙がっているのは生地や衣服などですが、完成品のクッションでも、撥水剤にこれらの物質を使っていないかを制作会社に聞いておくと安心です。
スタジアムクッションに名前やロゴを入れる方法
名前やロゴは、座面に入れるか収納袋にも入れるかを先に決め、折り目にかからない配置にするのが基本です。チームやリーグ、スポンサーのロゴは、それぞれ権利を持つ所の許可を取ってから入れましょう。
座面と収納袋のどちらに入れるかを決める
名前やロゴを入れる場所は、座面だけにするか、収納袋にも入れるかを最初に決めるのがおすすめです。座面のロゴは座っているあいだは隠れますが、立ち上がって応援するときや席を離れるときに周りの目に入ります。
座面に言葉を大きく入れるのも一つの方法です。たとえばFC今治は、座面に「WE ARE FC IMABARI」と入れたクッションを2025年10月に税込み1,900円で売り出しました。
折りたたむ型は、折り目にロゴや文字の中心がかからない配置にすると、畳んだときも広げたときも絵柄がきれいに見えます。収納袋にもロゴを入れておけば、持ち歩くあいだも宣伝に役立つでしょう。
スローガンや名前欄で使い続けたくなる作りにする
入れる言葉は、ロゴだけでなくその年のスローガンを添えると、どのシーズンの品かが一目で分かります。千葉ロッテマリーンズやベガルタ仙台が告知したクッションにも、球団のロゴやエンブレムとスローガンが入っています。
名前を書く欄を付けるのも一つの方法です。浦和レッズの交換品のように名前欄があれば、同じクッションを大勢が持つ会場でも、自分のものを見分けやすくなります。
チームカラーは、画面で見た色と生地に刷った色が違って見えることがあります。色と位置は、量産の前に見本で確かめておきましょう。
ロゴやマスコットは権利を持つ所の許可を取る
ロゴやマスコットは、チームのものはチーム、リーグのものはリーグ、スポンサーのものはその企業と、権利を持つ所の許可を取ってから入れます。Jリーグの場合、リーグのロゴやマスコットは独自の規程で管理する仕組みです。各クラブの商標権や著作権、肖像権などは各クラブにあるとして、使い方は各クラブに問い合わせるよう案内しています。
地域のキャラクターも同じです。熊本県のくまモンを商品に使うには、事業者の登録と利用の申請が要り、許諾までおおよそ1か月かかるうえ、許諾番号を商品のタグなどに書く決まりがあります。
許可を待つ日数も日程に入れておきましょう。他人のキャラクターを無断で使えないことは、ぬいぐるみの著作権の記事でも詳しく紹介しています。
配る数と試合日から逆算する日程
配る数は、1試合の入場者数と、全員・先着・会員のどれに配るかで決まります。数が決まったら、試合日から逆算して許可・見本・量産・配送の日数を足し、余裕をもって相談を始めましょう。
1試合の平均入場者数から数の目安を立てる
全員に配るなら、配る試合の入場者数が数の目安になります。日本野球機構によると、2026年のプロ野球の入場者は1試合平均31,675人でした。Jリーグによると、2025年のJ1も1試合平均で初めて2万1千人を超えています。
Jリーグは2026年の特別大会の開幕記念に、前年のホーム開幕節の来場者が推定約70万人だったことを踏まえ、ブランケットを計76万枚用意すると発表しています。見込みより少し多めに作るなら、余った分の使い道も先に決めておくと安心です。
全員・先着・会員で配る数と予算が変わる
先着や会員限定にすると作る数が決まり、予算を固定できます。ベガルタ仙台は先着12,000名に1人1枚、北海道日本ハムファイターズは会員の来場者15,000名に配ると告知していました。
代理の受け取りを断る、試合開始から決めた時間までに入場した人に限るなど、受け取りの条件も先に決めておきましょう。阪神タイガースは、巨人戦の折り畳みクッションを含む2025年の入場者プレゼントを、試合開始2時間後までに入場した人に1人1つとしていました。
配る品は来場のきっかけにもなります。Jリーグが2025年2〜11月に国立競技場で開いた10試合の来場者のべ24,723人へオンラインで聞いた調査では、来場目的に「来場者プレゼントを受け取る」を挙げた人が15.4%でした。国立で試合を主催した7クラブのホームの試合では8.0%で、特別な試合ほど配る品が来場の後押しになりやすいと読み取れます。
試合日から逆算して相談を始める
配る日が決まっているなら、試合日から逆算し、ロゴの許可・見本・量産・配送の日数を足した日より前に相談を始めます。量産に入ってから直すのは難しいので、見本で色や大きさを確かめる日数も取っておきましょう。
海外の工場で作るなら、輸入の日数もかかります。前の章で触れた許可を待つ日数も足すと、全体では思ったより長くなりがちです。
制作の期間は会社や数で変わります。見積もりを頼むときに「何月何日の試合で配りたい」と伝えて、間に合うかを確かめてください。
配る・売るときの景品と会場の決まり
入場者にもれなく配るクッションは景品表示法の上限に収め、売るなら受注販売と品質の表示を考えます。会場で配るときは、持ち込みと配布の決まりも主催者や施設に確かめておきましょう。
入場者に配る品は入場料の2割が上限の目安
入場者にもれなく配るクッションは、景品表示法の「総付景品」に当たり、価格に上限があります。消費者庁によると、取引の額が1,000円以上なら上限はその10分の2で、券の値段が席で違うなら、いちばん安い券の値段が基準です。
いちばん安い券が3,000円なら600円までが目安で、品の値段は作った費用ではなく、同じ品を買うときの値段で見ます。一方、「クッション付きチケット」のように品と入場券のセットで売ると明らかな場合は、原則として景品の規制の外です。
上限は今後変わるかもしれません。2026年7月に閣議決定された規制改革実施計画は、総付景品の上限額の引き上げを2026年度に検討し始め、2027年に結論を出すとしています。迷ったら、消費者庁や都道府県の窓口に相談しましょう。
売るなら受注販売と品質表示を考える
売り物にするなら、売れ残りを避けやすい受注販売も選べます。FC東京は2025年1月29日から2月10日まで「ユニフォーム型クッション’25」の注文を受け付け、4月上旬から下旬に届ける形で売り出しました。
売るときは、品質の表示が要るかも確かめます。消費者庁によると、家庭用品品質表示法では綿などの繊維を詰めた座布団が「布団」に入る一方、品目の一覧に「クッション」はありません。
配るだけの景品やノベルティは表示の義務の外ですが、対象の品目をあとで売る場合は表示が要ります。綿入りの座布団型を売るなら、表示が要るかを制作会社や消費者庁に確かめておきましょう。
会場の持ち込みと配布の決まりを確かめる
クッションそのものは、プロ野球12球団に共通の試合観戦契約約款の持ち込み禁止物に挙がっていません。ただ、席取りのための物の持ち込みや、客席やグラウンドへの物の投げ入れは禁じられています。
配るときは、「席取りに使わない」「投げ入れない」といった案内を添えると安心です。スポンサーや地域の団体が会場で配るなら、主催者と施設の許可も要ります。東京ドームも、許可のないグッズの販売や配布を禁止行為に挙げています。
大きさにも気をつけましょう。東京ドームは、自分の席の範囲を超える大きさの荷物を持ち込み禁止にしています。大きさを決める前に、配る会場の決まりを見ておくと安心です。
スタジアムの応援グッズをRONECTに頼む場合
株式会社RONECTは、オリジナルぬいぐるみやマスコットキーホルダーを作る会社で、クッションも1個から受けています。折りたたみのスタジアムクッションを作れるかとクッションの料金は、形と数を伝えて見積もりの相談で確かめてください。
チームのぬいぐるみやクッションは1個から相談できる
RONECTでは、チームのマスコットのぬいぐるみや、ユニフォームを着たぬいぐるみを1個から相談できます。応援グッズとしてクッションと並べたい場合は、ユニフォームぬいぐるみの作り方と費用も参考にしてください。
クッションの商品ページでも、1個からのオーダーメイドを案内しています。大きさや生地、刺繍、綿の量、付属品、包装まで、使い道と予算に合わせた提案が可能です。
ぬいぐるみの参考料金と期間の目安
RONECTのぬいぐるみの参考料金は、100個注文したときで高さ8〜15cmが1個1,500〜1,800円、20〜30cmが2,000〜3,000円です。約8cmで1個約1,000円の例もあり、サンプル代が別に20,000〜30,000円かかるほか、配送費が別になる場合や為替で料金が変わる場合もあります。
料金の表はRONECTのぬいぐるみ制作のページにあり、500個からは1個あたりの価格が安くなります。1個のときの料金とクッションの料金は、仕様と数をうかがって見積もる形です。
期間はRONECTの場合、サンプルに約2週間、量産に約30〜40日、全体で約2〜3か月が目安で、クッションの商品ページも同じ目安を案内しています。仕様や修正の回数、数、輸送の状況で前後するので、配る試合が決まっているなら早めにご相談ください。
AIの完成イメージと日本人の担当者
ご希望をうかがって、AIで完成イメージの画像を無料で作っています。見本の前にチームやスポンサーとの打ち合わせで見せられ、グッズの案をまとめやすくなります。画像はイメージのため、実物と形や色が違う場合がある点はご注意ください。
中国の提携工場と組み、サンプルから検品・輸入・国内への納品まで引き受けます。細かな直しは中国語に対応できる日本人の担当者が工場に直接伝える体制で、頼む流れはオリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用で紹介しています。来場者に配るぬいぐるみを選ぶなら、ノベルティ用ぬいぐるみの選び方も役立つはずです。
まとめ
スタジアムクッションは、大勢に配るなら畳める薄型か圧縮できる綿入り、売るなら座り心地のよい厚手、と使い道で型を選びます。横幅は座席に収まる45cm以内にし、屋外で使うなら撥水の等級と薬剤も確かめましょう。
まずは配る試合の日と数、入れたいロゴを書き出し、ロゴの許可と会場の決まりを確かめながら見積もりを頼むと、話が早く進みます。
株式会社RONECTでは、マスコットのぬいぐるみやクッションを1個から、100個以上の量産まで承っています。スタジアムクッションと並べる応援グッズも、お気軽にご相談ください。

