「推しのぬいぐるみを作りたいけれど、ボアやナイレックスなど生地の名前が多くて、どれを買えばいいのか分からない」。ぬいぐるみの生地は、手ざわりだけでなく縫いやすさや顔の見え方まで左右するので、最初に迷うところですよね。
先に結論をお伝えすると、迷ったら毛足1〜2mmほどのソフトボアを選ぶのが定番です。顔や小さなぬいぐるみ、服には毛足のないナイレックス、髪や動物の毛並みには毛足の長いボアを組み合わせます。
この記事では、主な生地10種類の違いと、使う場所ごとの選び方、買える店と値段の目安、量産するときの生地の決め方までまとめました。作りたいぬいぐるみに合う生地を、名前に迷わず選べるようになります。
ぬいぐるみ生地におすすめの素材10種類

ぬいぐるみの生地は、表面の毛の長さ(毛足)と伸び方で、手ざわりと縫いやすさが決まります。主な10種類を、店での呼び名と向いている使い方で比べると次のとおりです。
| 生地 | 主な呼び名 | 毛足 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| ソフトボア | クリスタルボア・ぬいクロスボア | 約1〜2mm | 体・肌・短い髪 |
| ナイレックス | ぬいトリコット・ぬいクロス | ほぼなし | 顔・小さなぬいぐるみ・服 |
| トイクロス | — | ほぼなし | 服・小物 |
| 3〜5mmのボア | 5mmボア・うさぎボア | 約3〜5mm | 髪・動物・着ぐるみ |
| 長毛のファー | ウィッグボア | 約8〜9cm | 長い髪 |
| カールした毛のボア | プードルボア・シープボア | 生地で違う | 動物・テディベア |
| おもちボア | ストレッチボア | 約0.5〜1mm | もちもちのマスコット |
| フリース | — | 短い起毛 | ぬいぐるみ・小物 |
| フェルト | — | なし | 目・口・ほおのパーツ |
| コットン | 綿の布・ブロード | なし | 服・小物 |
毛足の長さは店の表示の例で、同じ種類でも生地によって少し違います。買うときは、名前と一緒に毛足の長さと素材の表示も見比べましょう。
ソフトボアは体と肌に使う定番
ソフトボアは、1〜2mmほどの短い毛が生えたニットの生地です。店やクレーンゲームのキャラクターぬいぐるみによく使われ、横方向にほどよく伸びてほつれにくいので、初めての1体にも向いています。
店によってクリスタルボア、ぬいクロスボア、リトルボアなどの名前で売られていますが、いずれもこの仲間です。人の形のぬいぐるみなら、肌の色(スキンカラー)の色数が多い店で探すと、キャラクターの肌に合わせやすくなります。
ナイレックスは顔と小さいサイズ向き
ナイレックスは、毛足がほとんど無い片面起毛の薄い生地です。切りっぱなしでもほつれず刺繍もしやすいので、顔のパーツや15cm以下の小さなぬいぐるみ、服や小物に向いています。
ぬいトリコット、ぬいクロス、ミニクロスも同じ系統の生地です。名前の似た「ぬいクロスボア」は毛足のあるソフトボアの仲間なので、買うときに取り違えないようにしましょう。
トイクロスは、表面がさらさらして裏がつるっとした、ナイレックスより厚みのある生地です。透けにくく、表面に面ファスナーがくっつくので、ぬいぐるみの服や小物作りにも使えます。
毛足の長いボアとファーは髪や動物に
毛足が3〜5mmほどのボアは、ふわっとした毛並みを出せるので、髪の毛や動物の体、着ぐるみやケープのような服に使われます。裁つと短い毛が舞いやすいので、切り口の毛は粘着テープでやさしく取っておくと作業が楽です。
長い髪に使うのは、毛足が8〜9cmほどの長毛のファーです。手芸店では、ぬいぐるみやドールのウィッグ作りに向く生地として売られています。
カールした毛のボアで動物らしく
羊やテディベアのようなもこもこした毛並みを表すなら、プードルボアやシープボアのように毛がくるくるとカールしたボアが向いています。手芸店で見かけるテディボアという名前の生地も、その仲間です。
毛足のある生地は、縫い目に毛を巻き込みやすいのが難点です。縫ったあとに針先や専用の道具で毛をかき出すと、縫い目が目立たなくなります。
おもちボアはもちもちの手ざわりに
おもちボアは、毛足0.5〜1mmほどの片面起毛のストレッチ生地です。ポリエステルにポリウレタンを少し混ぜてあり、ソフトボアよりよく伸びるので、マシュマロのようなもちもちした手ざわりになります。
よく伸びるぶん、刺繍やミシンで縫うときは接着芯を貼るなどの工夫が要り、慣れた人向けの生地です。もちもち感は中に詰める綿でも変わるため、伸びる生地にはもちもちした綿を合わせる制作会社もあります。
フリースとフェルトとコットンの使い方
フリースは表面が少し起毛したやわらかい生地で、ひざかけのような素材感のぬいぐるみや小物に使えます。フェルトは、目や口、ほおの丸などの小さなパーツに使う生地です。貼るか縫うかで、パーツの丈夫さが変わります。
コットン(綿の布)は毛足が無く柄の種類も多いので、ぬいぐるみの服や小物に向いています。同じ「綿」の字でも、中に詰める綿(わた)とは別のものです。
ぬいぐるみ生地の選び方

生地は、使う場所とぬいぐるみの大きさ、顔の表し方の3つで決めると迷いません。洗うかどうかや、誰が手にするかも合わせて考えておきましょう。
肌と髪と服で生地を分ける
ぬいぐるみは、肌や体、髪、服で生地を分けるのが、キャラクターらしさを出すコツです。生地の店にも、顔や体、髪、服といった使う場所ごとにおすすめの生地を案内しているところがあります。
- 肌と体はソフトボアかナイレックス
- 短い髪はソフトボア
- ふわっとした髪は3〜5mmのボア
- 長い髪は長毛のファー
- 服はナイレックスかトイクロス
- 目や口は刺繍かフェルト
型紙の作り方や縫う順番は、キャラクターのぬいぐるみの作り方の記事で紹介しています。
小さいぬいぐるみは毛足の短い生地に
15cm以下の小さなぬいぐるみやキーホルダーに向くのは、毛足のほとんど無いナイレックスです。毛足のある生地はミシンで縫うと毛が滑ってずれやすく、量産の会社でも、ソフトボアは小さなマスコットには難しい場合があると説明しています。
キーホルダーにするときの大きさや金具の決め方は、ぬいぐるみキーホルダーの記事にまとめています。
刺繍の顔は毛足の短い生地が見やすい
顔を刺繍で入れるなら、毛足の短い生地を選ぶのが基本です。ふわふわのボアは刺繍の糸が毛に埋もれて表情がぼやけやすいので、顔の部分だけ毛足の短い生地に切り替える方法もあります。
絵柄を生地に印刷する場合も、毛足の短い生地が向いています。目や鼻の付け方の違いは、ぬいぐるみの刺繍の記事を参考にしてください。
洗うなら手入れの方法も確かめる
ぬいぐるみ用の生地を売る店では、洗濯はなるべく避け、洗うなら手洗いでやさしく洗うよう案内しています。アイロンをかけるなら低温から中温にして、あて布をするのが基本です。
子どもが口に入れるかもしれない物を作るなら、生地の注意書きも見ておきましょう。手芸用の材料として輸入しているので食品衛生法の検査はしていない、と断ったうえで、乳幼児の玩具など口に触れる物には使わないよう呼びかけている店もあります。
ぬいぐるみの洗い方の手順は、ぬいぐるみの洗濯方法の記事にまとめています。
ぬいぐるみの中に詰める綿とペレット
ぬいぐるみの中には、ポリエステルの手芸綿(わた)を詰めるのが基本です。押してもふくらみが戻りやすく、型くずれしにくいからです。
座らせたいときや重みを出したいときは、プラスチックの小さな粒のペレットを布の袋に入れて、お尻や足に入れます。細かい所に詰めやすい粒わたや天然の綿もあり、手ざわりと使い道で選び分けます。
綿の種類ごとの特徴や詰める量の目安、洗い方は、ぬいぐるみの綿の記事を参考にしてください。
ぬいぐるみの服におすすめの生地

ぬいぐるみの服には、薄手で柄の小さい生地が向いています。厚い生地や大きな柄は小さな服に収まりにくく、切りっぱなしで縫えるナイレックスやトイクロスなら端の始末も楽です。
| 生地 | 向いている服 | 特徴 |
|---|---|---|
| 薄手の綿 | シャツ・ワンピース | 小さな柄がそろう |
| ナイレックス | 服・小物 | 切りっぱなしでほつれない |
| トイクロス | 服・小物 | 厚みがあり透けにくい |
| チュール・オーガンジー | スカートやドレスの飾り | 透けて軽い |
| 3〜5mmのボア | 着ぐるみ・ケープ | ふわっとした手ざわり |
既製のぬい服の「10cm」「15cm」「20cm」は店の間の呼び方で、同じ表記でも胴回りが違います。服をオーダーするときの採寸のコツや費用は、ぬいぐるみの服をオーダーする記事を参考にしてください。
ぬいぐるみ生地の買い方と値段

ぬいぐるみ用の生地は、専門の通販や大型の手芸店で、10cm単位の切り売りか、小さく切ったカット布で買えます。ソフトボアなら、10cmあたり250円前後からが目安です。
専門の通販と手芸店と100円ショップ
色や種類の多さで選ぶなら、ぬいぐるみ用の生地を扱う専門の通販が便利です。肌の色や毛足の長さごとに分けて並べている店が多く、同じ系統の色を少しずつそろえたいときにも探しやすくなります。
手ざわりを確かめてから買いたいなら、大型の手芸店へ行きましょう。100円ショップにも「ぬいぐるみ用」と書いた片面起毛のカット布(約35×50cm・税込110円の例)があり、初めての1体を試すのに使えます。
値段は10cmあたり250円前後から
通販では、幅150cmほどの生地を10cm単位で買う切り売りと、70×30cmほどに切ったカット布とで値段の付け方が違います。主な生地の値段の例は次のとおりです。
| 生地 | 売り方 | 値段の例 |
|---|---|---|
| ソフトボア | 10cm単位の切り売り | 10cmで約250〜270円 |
| ソフトボア | 約70×30cmのカット布 | 1枚440円 |
| ナイレックス系 | 約65×30cmのカット布 | 1枚308円 |
| おもちボア | 10cm単位の切り売り | 10cmで321円 |
| トイクロス | 10cm単位の切り売り | 10cmで99円 |
値段はいずれも2026年10月時点の通販の税込の表示例で、生地の幅は店によって100〜166cmと違います。切り売りは生地の幅のまま注文した長さで届くので、少しだけ使うならカット布のほうが無駄が出ません。
買う量と注意書きを先に確かめる
必要な量は、型紙のパーツを生地の上に並べて決めます。人の形のぬいぐるみの作り方の本では、いちばん大きいサイズでも肌の部分は約70×30cmのカット布1枚で作れる、と案内している店もあります。
生地は仕入れの時期(ロット)で色や質感が少し変わるので、同じ色を使い続けたいなら一度に多めに買うと安心です。作ったぬいぐるみを売るなら、販売してよいかを生地の店の案内で確かめておきましょう。
量産するぬいぐるみの生地の決め方
100個以上をそろえて作るなら、生地は大きさと使い道を伝えて制作会社と決め、色と手ざわりはサンプル(試作品)で確かめるのが基本です。生地の違いで変わる単価は、大きさや数量の違いに比べると小さめです。
1体から数体だけなら、作家や工房に頼む方法もあります。頼み先と費用の違いは、推しぬいのオーダーメイドの記事で比べています。
量産ではナイレックスとボアが中心
ぬいぐるみの制作会社が主な生地として挙げるのは、毛足のないナイレックスと、毛足のあるボアの仲間です。ある制作会社は、ナイレックスを薄くて作業しやすく小さなマスコット向き、毛足3〜4mmのソフトボアを最も人気の生地として紹介しています。
同じ会社は、ソフトボアより毛羽立ちの少ない「水晶ボア」を、アニメ作品のぬいぐるみでも多く使われる生地として挙げています。よく伸びる伸縮ボアは、クッションや形の簡単なぬいぐるみ向きです。
大きさと仕上がりで考えると、小さなキーホルダーや絵柄を印刷するものはナイレックス、抱きしめたくなる手ざわりを出したいものはボアが候補になります。絵の形のクッションを印刷で作る方法は、ダイカットクッションの記事にまとめています。
生地の差は1個あたり数十円ほど
毛足のある生地ほど単価は少し上がりますが、差は1個あたり数十円ほどです。ある制作会社が2026年10月時点で公開している税抜の価格表では、高さ15cmを100個作るときの1個の単価は次のとおりでした。
| 生地 | 質感 | 15cm・100個の単価 |
|---|---|---|
| ナイレックス | つるりとした質感 | 1,360円 |
| ソフトベルボア | ふっくらした質感 | 1,390円 |
| ボア | ふわっとした質感 | 1,440円 |
単価はいずれも顔を布の切り替えで表す見本のキャラクターの場合で、キャラクターの形や仕様で変わります。同じ表でナイレックスを1,000個にすると1個740円、高さ30cmを100個なら2,030円で、生地の差より大きさと数量の差のほうがずっと大きいとわかります。
生地は手ざわりと見た目で選び、費用は大きさと数で調整するのが近道です。何個から頼めるかはぬいぐるみOEMの記事、費用の内訳はぬいぐるみの作成費用の記事で詳しく紹介しています。
見積もりで伝える生地の希望
生地の名前が分からなくても、作りたい手ざわりや使い道を伝えれば、制作会社が生地を選ぶ手がかりになります。見積もりを頼むときは、次のことをまとめておくと話が早いです。
- 作りたい手ざわり(ふわふわかつるりか)
- 顔の表し方(刺繍か印刷か)
- 大きさと数量
- 使い道(配る・売る・飾る)
- 手にする人の年齢
- 洗う予定があるか
手持ちのぬいぐるみの写真や、「この手ざわりに近い」という見本があれば、言葉より正確に伝わります。
色と手ざわりはサンプルで決める
生地の名前だけで指定すると、思っていた質感にならないことがあります。手芸店ではソフトボアを毛足1〜2mmの生地として売る一方、毛足3〜4mmの生地をソフトボアと呼ぶ制作会社もあり、同じ名前でも中身が違うからです。
色も、画面で見た色と実物では違って見え、生地を仕入れる時期でも少し変わります。名前より毛足の長さと手ざわりを伝え、量産の前にサンプルで確かめるのが確実です。
RONECTでは、中国語に対応できる日本人の担当者が、中国の提携工場と直接やり取りしています。サンプルを見て直したい色や手ざわりも、細かな希望まで工場に伝えられるのが利点です。
子どもが手にするなら材料の基準も確かめる
6歳未満の子どもが遊ぶぬいぐるみは、原則として食品衛生法の「指定おもちゃ」に当たります。決められた着色料以外の色が水に溶け出さないことなど材料に基準があり、無料で配る場合も対象です。子ども向けのイベントで配るなら、材料が基準に合うかを制作会社に確かめてください。
3歳未満向けなら、2025年12月25日から子供PSCマークの表示も必要になりました。任意の安全基準のSTマークを含めた対象年齢ごとの決まりは、STマークの記事にまとめているので、あわせて確かめておくと安心です。
RONECTは生地も含めて仕様を提案
RONECTでは、サイズや生地、刺繍、綿の量、付属品、パッケージまで、デザインと作り方、費用のバランスを考えて仕様を提案しています。どの生地がよいか決まっていなくても、使い道と予算を伝えれば相談できます。
参考料金は100個注文時で、高さ8〜15cmが1個1,500〜1,800円、20〜30cmが2,000〜3,000円です。約8cmで約1,000円の制作例もあり、サンプル代2万〜3万円は別にかかります。税込みか税抜きかは、見積もりのときに確かめてください。
大きさごとの参考料金と制作例は、ぬいぐるみ制作のページに載っています。相談から納品までの流れは、オリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用で紹介しています。
まとめ
ぬいぐるみの生地は、迷ったら毛足1〜2mmのソフトボアが定番です。顔や小さなぬいぐるみ、服には毛足のないナイレックス、髪や動物の毛並みには毛足の長いボアと、使う場所で選び分けましょう。
まずは作りたいぬいぐるみの大きさを決め、肌と髪と服に使う生地を1つずつ選んでみてください。
株式会社RONECTでは、ぬいぐるみの小ロットOEMを100個から承っています。生地を決める前の段階でも、絵が1枚あればAIで完成イメージの画像を無料で作れますので、お気軽にご相談ください。

