「うちのキャラクターでグッズを作りたいけれど、キャラクターグッズのOEMは何から頼めばいいのだろう」。何個から作れて1個いくらかかるのか、絵のとおりに仕上がるのか、不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。描いてもらった絵をグッズにしてよいのかという迷いも重なります。
そこで本記事では、OEMとライセンスの違いから、品目の選び方、依頼から量産までの流れと監修の進め方を順に紹介します。作る数で1個あたりの値段が変わる理由も分かるので、社内で予算と日程を説明しやすくなるはずです。
あわせて、描いてもらった絵の権利や商標、売る・配るときの表示と子ども向けの安全の決まりも同じ流れで解説します。
キャラクターグッズのOEMとライセンスの違い
キャラクターグッズの作り方には、権利者が工場に頼んで自分のブランドで作るOEMと、メーカーに使う許可を出して作って売ってもらうライセンスの2つがあります。在庫と売り上げを自分で持つか、使用料を受け取って任せるかが分かれ目です。
OEMは自分のブランドで工場に作ってもらう方法
OEMは、頼む側のブランドで製品を作ってもらう方法です。日本貿易振興機構(JETRO)は、頼む側が細かな設計や図面まで渡すのがOEM、設計から作る側に任せるのがODMと説明しています。
キャラクターグッズの場合、絵は権利者が用意し、ぬいぐるみの型紙や生地は工場と相談して決めるため、2つの中間の進め方といえるでしょう。作る数や売る値段を自分で決められる一方、作った分の費用と在庫は権利者が持ちます。
ライセンスはメーカーに作って売ってもらう方法
ライセンスは、権利者がメーカーにキャラクターを使う許可を出し、メーカーが作って売る方法です。権利者は自分では作らず、作る数などに応じた使用料を受け取ります。
阪神タイガースが2026年に公開したライセンスの案内では、使用料を「税別の標準希望小売価格×料率×製造数量×1.1」で計算し、マスコットを含む図柄の料率を8%としています。
熊本県の「くまモン」のように、県の許可を受けた事業者が商品を作る仕組みもあり、申請から許可までは約1か月です。使用料の有無や金額は、権利者によって違います。
自分で作るか任せるかを表で比べる
OEMとライセンスの違いは、だれが作り、だれが在庫を持つかです。
| 比べる点 | OEM | ライセンス |
|---|---|---|
| 作る人 | 権利者が頼んだ工場 | 許可を得たメーカー |
| 費用と在庫 | 権利者が持つ | メーカーが持つ |
| 権利者の収入 | 売り上げ | 使用料 |
| 値段と数 | 権利者が決める | メーカーが決める |
| 向く場面 | 配る品・少ない数で試す | 多くの売り場に広げる |
まだ知られていないキャラクターや、配る品から始めたいならOEMが向いています。両方を組み合わせる進め方もあり、LINEヤフーとLINE Friends Japanは2026年6月、LINEの絵文字のキャラクターの初の公式グッズを受注販売しながら、ライセンスの相手も募りました。
OEMで作るキャラクターグッズの品目の選び方
OEMで作るキャラクターグッズは、愛着を育てたいならぬいぐるみやマスコット、絵をそのまま見せたいなら平面のグッズが向きます。売る値段や配る予算と、作る数による1個あたりの値段の変わり方も合わせて品を決めましょう。
ぬいぐるみやマスコットは立体で愛着がわく
ぬいぐるみやマスコットは、手に取って抱ける立体のグッズなので、キャラクターに親しみを持ってもらう品に向いています。日本玩具協会が希望小売価格をもとにまとめた数字では、2025年度のぬいぐるみの市場は624億円で、前年度の138.2%と玩具の分野で伸び率が最も大きくなりました。
キャラクターは、知られていても好かれているとは限りません。日本リサーチセンターが2025年7月に全国の15〜79歳1,200人へ、調査員が調査票を届けて回収した調査では、知っている人が77%なのに好きな人は9%というキャラクターもありました。ぬいぐるみは、名前を知っている人に手元で親しんでもらうきっかけになるはずです。
平面のグッズは絵をそのまま使える
アクリルキーホルダーや缶バッジ、ステッカーなどの平面のグッズは、描いた絵をそのまま印刷できるので、絵の雰囲気を崩さずに作れます。大阪大学は2026年5月、公式マスコット「ワニ博士」と大阪・関西万博の公式キャラクターを組み合わせたアクリルキーホルダーを企画し、万博の公式ライセンス商品として大学生協で売り出しました。
一方、ぬいぐるみは絵を立体にするときに、顔の大きさや形を整える手間がかかります。絵の細かさを見せたいなら平面、触って親しんでもらいたいなら立体と、目的で選び分けるとよいでしょう。品目ごとの頼み先はグッズ制作会社の種類と選び方にまとめています。
売る値段と使い道から品を決める
売るグッズは、買う人が手に取りやすい値段に合う大きさから決めます。玩具メーカーのBANDAI SPIRITSが2024年12月に、ぬいぐるみを持っていて好きな全国の18〜59歳1,032人へネットで聞いた調査では、直近1年にぬいぐるみに使った金額は「1,000〜3,000円未満」が40.8%で最も多くなりました。
大阪府羽曳野市は、ご当地キャラクター「つぶたん」の初めてのぬいぐるみを約10cmでバッグに付けられる形にし、税込1,200円で2026年7月11日から市の観光局で売り出しました。配るグッズの場合は、1個あたりの予算と配る人数から大きさを決めましょう。
数を増やすと1個あたりが安くなる理由
グッズは、作る数を増やすほど1個あたりの値段が下がります。型紙づくりやサンプル、工場の準備にかかる費用は数に関係なくほぼ同じで、数が多いほど1個に割り振る分が小さくなるためです。
ただ、単価を下げようと多く作りすぎると、売れ残った在庫の置き場所と費用が残ります。売れる数が読めないうちは、少ない数で試してから追加で作るほうが、全体の出費を抑えられる場合もあるでしょう。数ごとの値段の考え方はぬいぐるみOEMの単価と頼み方で紹介しています。
キャラクターグッズをOEMで作る流れと監修
キャラクターグッズをOEMで作るときは、絵の権利と三面図をそろえ、最終的に承認する人を決めてから、サンプルで監修して量産に進みます。売れる数が読めないうちは、少ない数や受注販売から始めるのが安全です。
絵の権利を確かめて三面図をそろえる
工場に頼む前に、グッズにするキャラクターの権利が自分の側にあるかを確かめ、正面・横・後ろの絵をそろえます。外部の人に描いてもらった絵なら、立体にしてよいかを契約書で確かめておきましょう。
ぬいぐるみは、正面の絵だけでは横や後ろの形が決まりません。横と後ろの姿を描き足した三面図があると、工場が型紙を起こしやすくなり、サンプルの直しも減ります。絵の整え方は、キャラクターのぬいぐるみの作り方も参考にしてください。
最終的に承認する人を先に決める
グッズの仕上がりに最終的なOKを出す人は、頼む前に決めておきます。社内の役員、自治体の担当課、キャラクターを描いた原作者など、承認する人によって確認にかかる日数が変わるためです。
群馬県は2021年の制度の見直しで、「ぐんまちゃん」の衣装やポーズの変更、新しいデザインの追加を原作者だけが行うと定めました。熊本県の「くまモン」も、申請から利用の許可まで約1か月かかり、許可のあとに完成品の写真かサンプルを出します。承認する人が多いときほど、確認の日数を多めに見込んで日程を組みましょう。
サンプルで顔と色を監修してから量産する
量産に入る前に、サンプルで顔の表情・色・大きさを確かめ、直したい点を伝えます。いったん量産を始めると、作り直しには費用も日数もかかるためです。依頼から納品までの流れは、オリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用で確かめられます。
ライセンス商品でも、阪神タイガースは販売計画の図柄、申請時の完成した図柄、完成品のサンプルの3段階で確かめる仕組みです。OEMでも、絵・サンプル・量産品の各段階で見ると、仕上がりの食い違いを防げます。直してほしい点は「目をもう少し離す」のように、場所と向きをはっきり伝えましょう。
少ない数や受注販売から始める
売れる数が読めない最初のグッズは、少ない数か受注販売から始めると在庫を抱えにくくなります。受注販売は、先に注文を受けてから作る数を決める売り方です。
LINEヤフーとLINE Friends Japanは2026年6月、LINEの絵文字のキャラクター「えもじの子(仮)」の初めての公式グッズとして、ぬいぐるみ6種を各税込4,730円で、公式オンラインストアで1週間だけ受注しました。届けるのは9月下旬ごろの予定です。
届くまで3か月ほど待ってもらう代わりに、注文の数だけ作れるのが利点です。届ける時期は、注文を受ける時点ではっきり示しておきましょう。
OEMの前に確かめるキャラクターの権利
OEMを頼む前に、キャラクターをグッズにする権利が自分の側にあるかを確かめます。外部に描いてもらった絵は契約書、社員が描いた絵は会社のものになる条件を見て、名前やロゴの商標登録と、工場への発注内容を文書に残すことも考えましょう。
外部に描いてもらった絵は契約書を確かめる
外部のイラストレーターに描いてもらった絵は、ぬいぐるみなど立体にする権利まで譲り受けているかを契約書で確かめます。著作権法では、絵を作り変える権利と、作り変えた物を使う権利は、契約書に特に書いていなければ描いた人に残ると推定されるためです。
文化庁は、譲り受けるなら「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と明記するよう案内しています。裁判でも、契約までの経緯や仕様書の書き方で結論が変わっています。
2011年のひこにゃんの決定は立体にする権利の譲渡を認めた一方、2026年1月の大阪地裁の判決は、企業の記念キャラクターを作り変える権利などが描いた人に残ると判断しました。詳しくはぬいぐるみの著作権で紹介しています。
社員が描いた絵は会社のものになる条件がある
社員が描いたキャラクターは、条件をすべて満たすときに限って会社の著作物になります。文化庁の説明では、会社が企画し、仕事として社員が描き、会社の名前で公表し、契約や就業規則に別の決まりがないことが条件です。
外部の個人に頼んだ絵は、原則としてこれに当たりません。社員の絵は、仕事として描くことが予定されていたかで判断されるため、社内で生まれたキャラクターでも、だれの名前で発表したかと就業規則の決まりを、グッズにする前に確かめておくと安心です。
名前やロゴは商標登録も考える
キャラクターの名前やロゴは、商標登録もしておくと安心です。特許庁の関係機関であるINPITは、キャラクターは一般に著作権で守られるものの、商標登録で商標法の保護も受けられると説明しています。
商標権を持つと、登録のときに指定した商品について、その名前やロゴを使う権利を独り占めでき、10年ごとに更新できます。登録する区分、つまり商品のまとまりを増やすほど費用も増えるため、グッズとして売る品から区分を選ぶとよいでしょう。
工場への発注内容は書面で残す
工場に頼む品の数・仕様・代金・支払いの期日は、書面やメールで残しておきましょう。下請法が中小受託取引適正化法、いわゆる取適法に変わった2026年1月以降も、売る品の仕様を決めて製造を頼む会社には、こうした内容を示す義務が続いています。
取適法が当てはまるかは、頼む会社と、工場や制作会社の資本金や従業員の数で決まります。従業員を雇わずに一人で活動するイラストレーターに、事業として絵を頼むときも、フリーランス法で仕事の内容や報酬、支払いの期日を示す決まりです。当てはまらない取引でも、仕様と権利の扱いを文書に残しておけば、あとの食い違いを防げます。
キャラクターグッズを売る・配るときの表示と安全
キャラクターグッズに自社の名前を表示して売ったり配ったりすると、作った工場と同じように製品の責任を負うことがあります。子ども向けなら対象年齢で決まりが変わるので、表示と安全の基準を先に確かめましょう。
自社名の表示で製造物責任を負うことがある
OEMで作ったグッズに自社を製造者として表示すると、自分で作っていなくても製造物責任法の責任を負うことがあります。消費者庁は、OEMで自社のブランドを付け、製造者の表示とみなされる場合などは「表示製造業者」に当たると説明しています。
消費者庁によれば、無料で配る品も、無料というだけで製造物責任の対象から外れるわけではありません。工場の検品のしかたを確かめ、タグには販売者と製造者を正しく書いておくと安心です。
子ども向けは対象年齢で決まりが変わる
子どもが手にするグッズは、対象年齢によってかかる決まりが変わります。6歳未満の乳幼児が遊ぶためのぬいぐるみは食品衛生法の「指定おもちゃ」に当たり、材料の基準を満たす必要があります。
3歳未満向けのおもちゃは、2025年12月25日以降に製造・輸入するものから、国の基準に合うことと対象年齢などの表示が義務になりました。子どもにも渡すなら対象年齢を先に決め、工場が基準に合わせて作れるかを確かめましょう。基準の中身はぬいぐるみに必要な安全基準にまとめました。
マルシーの表示とタグの考え方
日本では登録しなくても著作権が生まれるため、マルシー(©)を付けなくても権利は守られます。文化庁も、©に法律上の意味はほとんどなく、今は権利者の名前を示す印として使われていると説明しています。
ほかの権利者のキャラクターと組むときは、表示のしかたを相手が決めている場合もあるので確かめましょう。なお、家庭用品品質表示法で表示が要る繊維製品の一覧に、ぬいぐるみは入っていません。タオルやひざ掛けも一緒に作るなら、そちらは表示の対象になります。
キャラクターグッズのOEMをRONECTに頼む場合
株式会社RONECTは、オリジナルぬいぐるみやマスコットキーホルダーをはじめ、企業のノベルティやキャラクター商品を作っている会社です。自分の側に権利があるキャラクターなら、1個の試作から量産まで相談でき、100個注文時の参考料金は手のひらサイズで1個1,000〜1,800円ほどです。
1個から量産まで相談できる
RONECTはぬいぐるみを1個から受けているので、監修用の1個を先に作ってから量産の数を決める進め方にも合わせられます。1個のときの料金は、絵と大きさをうかがって見積もる形です。
デザイナーも在籍しているため、キャラクターをこれから作る段階でも相談できます。他社のキャラクターに似せたぬいぐるみは作れないので、自社や自分で権利を持つキャラクターが対象です。
100個注文時の参考料金と期間の目安
RONECTのぬいぐるみの参考料金は、100個注文したときで高さ8〜15cmが1個1,500〜1,800円、20〜30cmが2,000〜3,000円です。約8cmで1個約1,000円の例もあります。
料金は仕様や数量、為替で変わり、サンプル代が別に20,000〜30,000円、配送費が別になる場合もあります。税込みか税抜きかも、見積もりで確かめてください。
500個からは1個あたりの価格が安くなります。料金の表はRONECTのぬいぐるみ制作のページで確かめられます。
期間はRONECTの場合、サンプルに約2週間、量産に約30〜40日、全体で約2〜3か月が目安です。監修の回数や輸送の状況で前後するので、発売日の3〜4か月前には相談を始めると安心です。
AIの完成イメージで監修を進めやすい
RONECTでは、キャラクターの絵からAIで完成イメージの画像を無料で作っています。サンプルを作る前に、承認する人へぬいぐるみになった姿を見せて意見を集められるでしょう。画像はイメージのため、実物と形や色が違う場合があります。
中国の提携工場と組み、サンプルから検品・輸入・国内への納品まで引き受けるので、海外とのやり取りを自分で行う必要はありません。監修で出た細かな直しは、中国語に対応できる日本人の担当者に日本語で伝えられます。
まとめ
キャラクターグッズをOEMで作るなら、自分で作るかライセンスで任せるかを決め、売る値段や配る予算から品と数を選びます。外部に描いてもらった絵は、立体にする権利まで契約書で確かめておくことが欠かせません。
次は、承認する人と発売日を決め、三面図をそろえて制作会社に見積もりを相談してみてください。
株式会社RONECTでは、オリジナルぬいぐるみを1個から、100個以上の量産まで承っています。キャラクターのぬいぐるみやマスコットの監修用の試作も、お気軽にご相談ください。

