「自社ブランドの雑貨を作りたいけれど、雑貨のOEMはどこに、何個から、いくらで頼めるのだろう」。依頼先のページには「まずはご相談を」とあるだけで、費用や最低の数、届くまでの日数が見えにくいですよね。初めての発注で、品質や納期のトラブルを避けたいという不安もあるはずです。
そこで本記事では、OEMとODMの違いから、依頼から納品までの流れ、最低ロットと費用の考え方、依頼先を選ぶ4つのポイントまでを順に紹介します。見積もりで伝えることと比べる観点が分かるので、何社かの見積もりを同じ物差しで比べられるでしょう。
あわせて、ブランド名の商標登録やデザインの権利など、作る前に決めておくことも同じ流れで解説します。
雑貨OEMのしくみとODMとの違い
雑貨のOEMは、自分のブランド名を付けて売る雑貨を、工場に作ってもらうしくみです。企画や設計まで相手に任せる形はODMと呼ばれ、デザインが手元にない場合はこちらに近い頼み方になります。
OEMは自社ブランドの品を工場に作ってもらう
ジェトロは、OEMを「委託者のブランドで製品を生産すること」と説明しています。雑貨店やネットショップの「オリジナル商品」も、店が企画してメーカーに作ってもらう場合は、作る部分をOEMで頼むしくみです。
自分で工場や設備を持たずに始められるのが利点で、ジェトロも、委託する側は設備投資が最少または不要で、資金の負担が少ないとしています。一方で、作ることで得られる技術は工場に残り、工場が将来の競合になる可能性もあると注意しています。
ODMは企画や設計まで任せる方法
ODMは、製品の設計や開発まで、作る側の会社が受け持つ形です。ジェトロは、ODMでは受託する側の技術が委託する側と同じかそれ以上であることが基本の条件になると説明しています。
図面やデザインが手元になく、「こんな雑貨を作りたい」というイメージから相談するなら、実際にはODMに近い頼み方になるでしょう。どちらの形でも、デザインの権利をどちらが持つかを契約で決めておくことが大切です。言葉の違いは、ODM・OEMの違いでも紹介しています。
作れる雑貨は素材と品目で依頼先が分かれる
「雑貨」は、辞書では日常生活に必要なこまごました品物のことで、決まった線引きはありません。この記事では、クッションや布小物など部屋で使う品をインテリア雑貨、ポーチやバッグ、キーホルダーなど持ち歩く品をファッション雑貨と呼びます。
布を縫う品、樹脂を型で作る品、金属や陶器の品では、使う設備も得意な工場も違います。作りたい雑貨の素材と品目を先に決め、その品を作った実績がある依頼先を探すのが近道です。
雑貨OEMの依頼から納品までの流れ
雑貨のOEMは、作りたい品と数を決めて見積もりを取り、サンプルで仕上がりを確かめ、量産と検品を経て納品される流れで進みます。売り出す日から逆算して、数か月前には相談を始めましょう。
作りたい品と数を決めて見積もりを取る
最初に、作りたい品、大きさ、素材、色、数量、希望の納期、予算をまとめて依頼先に伝え、見積もりを取ります。販売用かノベルティ用か、デザインのデータがあるかも伝えると、話が早く進むでしょう。
たとえば、自衛隊秋田地方協力本部が採用の広報に使うトートバッグ5,500枚の仕様書は、寸法、数量、素材、色、印刷の色数、データの渡し方、見本の承認、梱包の仕方まで書いていて、伝える項目の見本になるでしょう。
サンプルで品質の基準をそろえる
見積もりのあとは、サンプルを作って、形や色、縫い方、大きさを確かめます。ジェトロが2008年にまとめた中国での委託加工のQ&A集も、トラブルで最も多いのは製品の品質の問題だとして、品質の基準を数字と図面や写真の見本で決めるよう勧めています。
直したい点はサンプルの段階で伝え、納得してから量産に進むのが基本です。三重県などでつくる国体の実行委員会も、マスコットのぬいぐるみの仕様書で、事前に試作品を出して承諾を得ることを求めていました。
量産と検品を経て納品される
サンプルが決まったら量産に入り、できあがった品に不良がないかを検品してから、指定の場所に納品されます。同じQ&A集も、日本へ送る前の段階で検査する体制をつくるよう勧めています。
検品の基準があいまいだと、届いてから「サンプルと違う」と気づくことになりかねません。どこまでを不良とするか、不良が出たらどう扱うかを、量産の前に決めておきましょう。
売り出す日から逆算して数か月前に動く
サンプルの直しと量産に加え、海外で作るなら輸送の日数もかかるので、全体ではまとまった期間が必要です。RONECTでぬいぐるみを作る場合、サンプル約2週間、量産約30〜40日、全体で約2〜3か月が目安です。
ほかの雑貨でも、サンプルを直す回数や数量、輸送の状況で日数は前後します。売り出す日や配る日が決まっているなら、そこから逆算して、余裕を持って相談を始めましょう。
雑貨OEMの最低ロットと費用の考え方
雑貨のOEMの費用は、型やサンプルなど最初にかかる費用と、1個ごとの材料や縫製の費用でできていて、少ない数ほど1個あたりが高くなります。海外で作るなら、関税や送料も見込んでおきましょう。布製品を少ない数で縫ってもらう工場の探し方は、縫製工場に小ロットで頼む方法で紹介しています。
少ない数ほど1個あたりが高くなる
1回に注文できるいちばん少ない数を最低ロットと呼び、少ない数で頼むほど1個あたりは高くなります。型紙や版、サンプルにかかる最初の費用は、作る数にかかわらず必要だからです。1個あたりの値段は、最初の費用を数で割った分に、材料や縫製の費用を足したものと考えると分かりやすいでしょう。
辞書でも、小売店のプライベートブランドが安い理由の一つに、海外の工場などへの大量発注が挙げられています。売れるか分からないうちは少ない数で試し、売れ行きを見て追加する進め方なら、在庫を抱えすぎずに済むでしょう。
費用の内訳と数で割れる費用の早見表
見積もりを比べるときは、次の費用がどこまで含まれているかをそろえて確かめます。
| 費用 | かかる時 | 1個あたりへの影響 |
|---|---|---|
| デザイン料 | 最初に1回 | 数が多いほど薄まる |
| 型紙・版の費用 | 最初に1回 | 数が多いほど薄まる |
| サンプル代 | 最初に1回 | 数が多いほど薄まる |
| 材料と縫製・加工 | 1個ごと | 数が増えてもかかる |
| タグ・個包装 | 1個ごと | 数が増えてもかかる |
| 送料・関税 | 納品のたび | 量や品目で変わる |
長野県の国スポの準備委員会が2024年に出したぬいぐるみの仕様書は、2種類で計12体という少ない数でも、型代や刺繍の版代、校正のサンプルの費用を見積もりに含めるよう求めていました。少ない数ほど、最初の費用が占める割合は大きくなります。
海外で作るなら関税と原産国の表示も
海外の工場で作って輸入するなら、送料のほかに関税と、輸入の消費税・地方消費税の合計10%がかかります。2026年10月31日版の実行関税率表のWTO協定の税率では、布のバッグやポーチが8%、クッションが3.8%、ぬいぐるみは無税が目安です。
実際にどの税率になるかは、品物ごとに税関が判断します。また、海外で作った品に日本語だけの表示をして日本製と誤解させると、景品表示法の不当表示になりうるので、タグやパッケージに原産国を入れましょう。ぬいぐるみの例ですが、海外の工場との進め方は、ぬいぐるみを中国の工場に頼んで輸入する方法でくわしく紹介しています。
雑貨OEMの依頼先を選ぶ4つのポイント
雑貨のOEMの依頼先は、作りたい品目の実績、少ない数とサンプルの修正への対応、品質の基準と検品、契約と権利の取り決めの4つで比べると選びやすくなります。安さだけで決めないことが、失敗を防ぐ近道です。
作りたい品目と素材の実績がある
同じ雑貨でも、布を縫う品と、樹脂や金属を型で作る品では得意な工場が違います。作りたい品と同じ素材・同じ品目を作った実績があるかを、写真や見本で確かめましょう。
ジェトロの2008年の中国向けのQ&A集も、中国の相手と取引する前に、経営者や取引先、製造の設備と技術力を確かめるよう勧めています。サンプルだけで信用して取引を始め、届いたのは品質の悪い品ばかりだったという失敗の例も紹介されています。
少ない数とサンプルの修正に応じる
初めての雑貨は、少ない数から作れるか、サンプルを何回まで直せるかが大切です。最低の数が大きいと、売れ残ったときの在庫も大きくなります。
サンプルの直しにかかる費用と日数、追加で作るときの値段と日数も、最初に聞いておきましょう。売れ行きを見て同じ品を作り足すなら、2回目以降の値段と日数も比べる材料に入れましょう。
品質の基準と検品のやり方を決められる
寸法や色、縫い目の細かさといった品質の基準を、数字と見本で決められる依頼先を選びます。検品を誰が、どこで、どの基準で行うかも、見積もりの段階で確かめておくと安心です。
店のブランドを付けて作り手のように表示した品は、作ったのが工場でも、店が製造物責任法の責任を負う場合があります。だからこそ、品質を確かめる仕組みを持つ依頼先かどうかが大切です。
契約と権利の取り決めを書面に残す
仕様、数量、納期、支払い、不良品の扱い、デザインの権利は、口約束にせず書面に残しましょう。ジェトロも、委託する側と受託する側の権利と義務をはっきり書いた契約書を交わすよう勧めています。
2026年1月からは下請法が「取適法」に変わり、資本金や従業員の数が一定より大きい会社が小さな会社に作ってもらうときは、注文書を渡し、受け取りから60日以内に支払う義務などがあります。小さな店や作家は対象外のことが多いものの、個人のデザイナーや一人で営む作り手に頼むときは、フリーランス法で取引の条件を書面やメールで示す義務がある点も押さえておきましょう。
自社ブランドの雑貨を作る前に決めること
自社ブランドの雑貨を作るなら、ブランド名を守る商標登録、デザインの権利の持ち方、他人の権利を侵さないことの3つを、作る前に決めておきましょう。どれも作ったあとに直すのは手間がかかるので、最初が肝心です。
ブランド名は商標登録で守る
ブランド名を決めたら、まず特許庁の検索サービスJ-PlatPatで、同じ名前や似た名前が登録されていないか調べます。特許庁も、似た商標を無断で使うと商標権の侵害になる可能性があるとして、出願前の調査を勧めています。
守りたい名前は、商標登録しておくと安心です。2026年11月時点の特許庁の料金では、1つの区分なら出願料12,000円と登録料32,900円で、合わせて約4.5万円かかります。区分は品目によって分かれ、2区分なら出願料20,600円・登録料65,800円と、区分が増えるぶん費用も増える点に注意が必要です。兵庫県の豊岡鞄も、OEMが主流だった産地が地域の名前を商標にして、自分たちのブランドを育てた例として特許庁が紹介しています。
デザインの権利を受け取る契約にする
デザインを制作会社やデザイナーに作ってもらった場合、著作権はデザイナーや制作会社など作った側にあるのが原則で、お金を払っただけでは移らないことが多いと文化庁は説明しています。追加で作る、ほかの商品に広げる、別の工場に切り替えるといったことを考えるなら、権利の扱いを契約で決めておきましょう。
権利を譲り受けるなら、契約書に「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と書いておく必要があると、文化庁のテキストも説明しています。形や色を変えて使う予定があれば、譲り受けられない著作者人格権の扱いも契約で決めておきます。個人のデザイナーに頼むときはフリーランス法で条件を書面などで示す義務もあるので、グッズにして売る範囲まで発注のときに書いておきましょう。
他人のキャラクターやロゴは使わない
アニメのキャラクターや有名ブランドのロゴを、許可なく雑貨にして売ることはできません。工場が引き受けたとしても、売れば自分が権利を侵した責任を負い、海外で作った品は税関で輸入を止められることもあります。
自社ブランドの雑貨は、自分たちのオリジナルのデザインで作るのが基本です。キャラクターの権利の考え方は、ぬいぐるみの著作権で紹介しています。
ぬいぐるみやマスコットをRONECTで作る場合
RONECTは、オリジナルぬいぐるみやマスコットキーホルダーをはじめとするオリジナルグッズを、OEM・ODMで作る会社です。自社ブランドの雑貨のうち、ぬいぐるみやマスコットなら、1個から量産まで相談できます。
ぬいぐるみやマスコットは1個から相談できる
RONECTは、企画からサンプル、量産、納品までを一貫して受け持ち、ぬいぐるみは1個から受けています。デザインが決まっていなくても、デザイナーと一緒に考えられるのが利点です。
中国の提携工場とは中国語ができる日本人の担当者が直接やり取りし、検品は現地のスタッフか第三者の検品会社が行います。輸入と国内の指定先への納品まで任せられるので、自分で海外の工場と交渉する必要はありません。ぬいぐるみのOEMの進め方は、ぬいぐるみOEMの単価と頼み方でくわしく紹介しています。
100個注文時の参考料金と期間の目安
RONECTのぬいぐるみの参考料金は、100個注文したときで高さ8〜15cmが1個1,500〜1,800円、20〜30cmが2,000〜3,000円です。サンプル代は別に20,000〜30,000円かかり、仕様や為替で料金は変わるほか、配送費が別にかかる場合もあります。
料金はRONECTのぬいぐるみ制作のページの価格表に載っており、表の100個は参考料金の条件です。
期間は全体で約2〜3か月が目安で、流れはオリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用にまとめています。
クッションやポーチは見積もりで確かめる
RONECTの商品ページでは、クッションやポーチも1個から頼めるオーダーメイドとして紹介しています。料金は作る数によって変わるため、仕様を伝えて見積もりで確かめてください。
ぬいぐるみ以外の雑貨は、品目ごとに作れる仕様や工場が違います。RONECTで作れるかどうかも含めて、作りたい品の写真や絵を添えて、見積もりの相談で確かめてください。商品の例はクッションの制作やライブグッズのポーチの制作のページで見られます。小さなマスコットにするなら、オリジナルぬいぐるみキーホルダーの作り方も参考になります。
まとめ
雑貨のOEMは、作りたい品と数を決めて見積もりを取り、サンプルで品質の基準をそろえ、量産と検品を経て納品される流れです。少ない数ほど1個あたりが高くなるので、依頼先は品目の実績、少ない数への対応、検品、契約の4つで比べましょう。
まずは作りたい品の写真や絵、数量、売り出す日をまとめて、見積もりを頼んでみてください。
株式会社RONECTでは、オリジナルぬいぐるみを1個から、100個以上の量産まで承っています。自社ブランドのぬいぐるみやマスコットを作りたいときは、お気軽にご相談ください。

