「自分たちのキャラクターでオリジナル人形を作りたいけれど、どこに頼めばいくらかかるのだろう」。自分で作るか、作家や制作会社に頼むかで迷ううえに、何個から作れるのかも分かりにくいものです。配る日や記念日に間に合うのか、という不安も重なります。
そこで本記事では、人形の種類の違いから、作る3つの方法、費用が決まる仕組みと料金の目安、注文から完成までの流れを順に紹介します。使い道と数に合う頼み方が分かり、予算と日程の見通しが立てられるはずです。
あわせて、頼む前に確かめたいキャラクターの権利と子どもの安全、RONECTに頼む場合の進め方も同じ流れで解説します。
オリジナル人形の種類と作り方の違い
オリジナル人形は、布と綿で作る「ぬいぐるみ」と、樹脂を型で固める「ソフビ」「フィギュア」で、作り方も頼む先も変わります。抱いたり持ち歩いたりするなら、布の人形を選ぶのが近道です。
布と綿で作る人形がぬいぐるみ
「人形」は、木や紙、布、ビニルなど材料を問わず、人の姿をまねて作ったものを指す広い言葉です。そのなかで、綿などを芯にして布を縫い合わせた人形を、デジタル大辞泉は「ぬいぐるみ」と説明しています。
作り方は、絵をもとに型紙(布を切るための設計図)を起こし、布を切って縫い合わせ、綿を詰めて仕上げる流れです。
サンリオの企画担当者によると、樹脂の人形はデジタルで型を起こす作業が多い一方、ぬいぐるみの型紙は今もほぼ手作業です。布の人形は、人の手で形を整えていく工芸品に近いものといえます。
ソフビやフィギュアは樹脂を型で固める
ソフビは、やわらかい塩化ビニルで作る、中が空洞の人形です。液状の材料を金属の型に流し込み、熱で固めて作るので、金属の型を用意するところから始まります。
フィギュアは、樹脂で実物そっくりに作る観賞用の立体です。原型師と呼ばれる職人が元の形を作り、量産では型を使って同じものを作ります。
どちらも細かい形や塗装まで再現できる反面、硬い樹脂なので、抱きしめたり、やわらかさを楽しんだりする使い方には向きません。
抱く・持ち歩くなら布の人形が向く
3つの違いを、材料と使い道で並べると次のとおりです。
| 種類 | 主な材料 | 作るときの型 | 向く使い道 |
|---|---|---|---|
| ぬいぐるみ | 布と綿 | 型紙 | 抱く・持ち歩く・配る |
| ソフビ | やわらかい塩化ビニル | 金属の型 | 飾る・集める |
| フィギュア | 硬い樹脂 | 原型と量産用の型 | 細かく再現して飾る |
SHIBUYA109 lab.が2025年1月に一都三県の15〜24歳の女子学生507人へWebで聞いた調査では、経験したぬい活で最も多いのが「バッグにつける」の59.4%でした。
日本玩具協会によると、2025年度のぬいぐるみの市場は見込みで624億円と、前年度の138.2%に伸びています。配る・持ってもらう人形なら、布で作るぬいぐるみを第一の候補にするとよいでしょう。
オリジナル人形を作る3つの方法
オリジナル人形を作る方法は、自分で作る、ハンドメイドの作家や工房に頼む、制作会社に頼むの3つです。何個作るか、配るか売るかで合う方法が変わります。
1体だけなら自分で手縫いできる
10cmほどで部品の少ない形なら、手縫いで作るのも難しくありません。手芸用品メーカーのクロバーは、体長約10.5cmの犬のぬいぐるみの作り方を、実物大の型紙つきで公開しています。
ボアと呼ばれる毛足のある布を型紙どおりに切り、縫い合わせて表に返し、綿を詰めて口を閉じる手順です。針や糸、はさみ、綿など、手芸店でそろう道具で始められます。
ただ、平らな型紙から立体の仕上がりを思い描くのは難しく、同じ顔を何体もそろえるのは大変です。自分や家族で楽しむ1体に向く方法でしょう。
1点ものは作家や工房に頼める
ハンドメイド作品の販売サイトやスキルの売買サイトでは、オリジナルのぬいぐるみを1体から受ける作家や工房が見つかります。ペットや自分で考えたキャラクターなど、世界に一つの人形を頼みたい方に合う方法です。
手縫いの作家も多く、量産のための型代はかかりません。一方で、同じ品質で数十体をそろえる前提ではないので、配る・売るための数がいるときは制作会社も比べましょう。
個人で頼むときの比べ方は、推しぬいのオーダーメイドの頼み方でも紹介しています。
同じ顔でそろえるなら制作会社に頼む
イベントで配る、店で売るなど、同じ顔の人形をそろえたいなら、ぬいぐるみの制作会社が向いているでしょう。型紙とサンプルで形を決めてから量産するので、検品や梱包まで任せられます。
| 方法 | 向く数 | 強み | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 自分で作る | 1体 | 材料費だけで作れる | 同じ顔をそろえにくい |
| 作家・工房 | 1体〜数体 | 手作りの1点もの | 大量の注文は難しい |
| 制作会社 | 1個〜量産 | 同じ品質でそろう | 少ない数だと割高 |
制作会社は、数がまとまるほど1個あたりが下がる仕組みです。1個から受ける会社もあり、1点ものを量産と同じ工場で仕上げたい場合にも選べます。
任天堂で2014年にあみぐるみの品質保証をまとめた担当者は、「製造を委託するとはいえ、品質を保証するのは任天堂です」と話しています。自社の名前で配る人形は、頼んだ側が製造物責任を負う場合もあるので、検品のやり方まで説明してくれる会社を選びましょう。
比べる観点は、ぬいぐるみ制作の依頼先の選び方にまとめています。
オリジナル人形の費用が決まる仕組み
オリジナル人形の費用は、大きさや部品の数、刺繍の量で決まる単価と、作る数で決まります。手のひらサイズを100個頼む場合、RONECTの参考料金では1個1,000〜1,800円ほどが目安です。
大きさとパーツ、刺繍の量で単価が変わる
人の形の人形は、髪や服、帽子などの小物で部品が増えやすく、そのぶん縫い合わせる手間がかかります。動物の形より、どこまで細かく再現するかで単価の差が出やすいところです。
大きさも費用を左右します。人形が大きいほど布と綿を多く使い、箱や送料もかさみます。顔を刺繍で描く範囲や、毛足の長い布などの生地選びでも、単価は上下するでしょう。
RONECTでは、大きさや生地、刺繍、綿の量、付属品、パッケージまで、予算とのバランスを見ながら仕様を提案しています。
1個だけ作ると1個あたりが高くなる
型紙を起こす、サンプルを作る、刺繍のデータを作るといった準備の手間は、1個でも100個でも変わりません。準備の費用を作る数で割るため、数が少ないほど1個あたりは高くなります。
反対に、数を増やすと1個あたりは下がる一方で、支払う総額と在庫は増えるので注意しましょう。配る人数や売れる見込みに予備を少し足した数を出し、総額で比べるのが失敗しにくい決め方です。
費用の内訳と安くする工夫は、ぬいぐるみの作成費用の記事でくわしく紹介しています。
手のひらサイズなら100個で1個1,000円台
RONECTが公開している、100個注文したときの参考料金は次のとおりです。大きさは高さで数えます。
| 大きさ | 1個あたりの参考料金 |
|---|---|
| 8〜15cm | 1,500〜1,800円 |
| 20〜30cm | 2,000〜3,000円 |
| 40cm | 3,000〜4,000円 |
| 80cm | 15,000円〜 |
同じページには、約8cmで約1,000円の例も載っています。手のひらに乗る大きさなら、1個1,000〜1,800円ほどを目安にできるでしょう。
料金は仕様や数、作りの複雑さで変わり、海外の工場で作るため為替の動きでも変わります。参考料金の表と制作事例は、RONECTのぬいぐるみ制作のページに載っています。
サンプル代と送料は別に見込む
RONECTの場合、量産の料金とは別に、サンプル代として20,000〜30,000円が必要です。納期によっては、配送費が別にかかることもあります。
予算は「サンプル代+1個の単価×数+送料」で総額を見積もりましょう。1個だけ作る場合は大きさや作りで料金が大きく変わるため、RONECTでは仕様をうかがってから見積もっています。
オリジナル人形の注文から完成までの流れ
オリジナル人形を制作会社に頼むと、絵と条件を伝え、サンプルで形を直してから量産する流れになります。RONECTの場合、相談から納品まで全体で約2〜3か月が目安です。
前・後ろ・横の絵と数、期日を伝える
最初に伝えるのは、人形の絵と、大きさ・数・届けてほしい日・予算・使い道です。RONECTでは、前・後ろ・横の写真やデザイン画をもとに人形を作ります。
後ろ姿のしっぽや髪型など、その人形らしさが横や後ろにあるなら、描き足しておくと形が近づきます。三重とこわか国体の実行委員会が2019年にマスコットのぬいぐるみを頼んだ仕様書にも、次の項目が並んでいました。
- 大・中・小の大きさと、それぞれの数
- 生地と綿の種類
- 目や口の仕上げ方
- 試作品を見て承認すること
- 付ける織ネーム(布のタグ)
絵を立体にするときのコツは、キャラクターのぬいぐるみの作り方でも紹介しています。
サンプルで表情と大きさを直す
見積もりに納得したら、工場で実物のサンプルを作り、表情や大きさ、色を確かめて直す段階です。布と綿の人形は絵のとおりに仕上げるのが難しいため、RONECTでも修正を重ねながらサンプルを作ります。
プロでも同じです。タイトーのぬいぐるみの開発担当者は、工場で何回もサンプルを作り直して形を決めたと話しています。
目の位置や縫い目の入り方ひとつで、表情はがらりと変わりますよね。正面の写真1枚で決めず、横や後ろからの仕上がりまで確かめてくださいね!
相談から納品まで全体で2〜3か月ほど
RONECTに頼んだ場合の流れと目安は次のとおりです。
- 相談とヒアリング
- 完成イメージの作成
- 見積もり
- サンプルの制作と確認(約2週間)
- 修正と最終確認
- 量産と検品(約30〜40日)
- 輸入と国内への納品
全体では約2〜3か月が目安で、仕様や直しの回数、数、輸送の状況で変わります。RONECTは中国の提携工場と組み、サンプルから検品、輸入、国内の指定先への納品まで一括で受けています。海外とのやりとりや輸入の手続きを、自分でする必要はありません。
配る日や発売日が決まっているなら、3か月以上前に相談を始めると安心です。流れの全体はオリジナルぬいぐるみ制作の流れと費用にまとめています。
追加で作るなら型紙の扱いを決めておく
人形が好評で追加を作るとき、同じ会社なら最初の型紙やサンプルを基に進められる場合があります。別の会社に頼み直すと、型紙づくりからやり直しになりかねません。
企業どうしの取引について中小企業庁が示すガイドラインは、金型の図面などを相手の意に沿わない形で出させることを戒めています。型紙も同じ考え方で、追加を考えているなら、誰がどう使えるかを最初の見積もりのときに確かめておきましょう。
頼む前に確かめたい権利と安全
オリジナル人形を頼む前に、キャラクターの権利と、子どもが手にするときの安全を確かめましょう。配る・売る人形ほど、あとから困らない準備が欠かせません。
他人のキャラクターは許可なく作らない
アニメや漫画のキャラクター、芸能人などを、権利者の許可なく人形にして配ったり売ったりするのはやめましょう。著作権法は作品の形を変えて作り直す権利を作者に認めていて、平面の絵を立体の人形にするのもこれにあたりうるためです。
文化庁も2026年1月、二次創作をネットに公開するなら原則として許可が必要で、「沈黙は『公認』ではありません」と呼びかけました。完成した人形の写真をSNSに載せるときも、同じ注意が必要です。実在の人物の人形は、名前や顔で人を引きつける力を守るパブリシティ権の問題にもなりえます。
作れる依頼と作れない依頼の分かれ目は、ぬいぐるみの著作権の記事で紹介しています。
描いてもらった絵は使える範囲を確かめる
自社のキャラクターでも、絵をデザイナーに描いてもらったなら、人形にしてよいかを確かめておきましょう。文化庁によると、お金を払っただけでは著作権が移ったと認められず、使ってよい範囲の許可にとどまる例が比較的多いそうです。
形を変えて作り直す権利まで譲り受けるなら、契約書に「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と明記する必要があります。描いた人が著作者人格権を行使しないと決めておく例もあります。
子どもの絵を人形にするときも、描いた子どもが作者なので、保護者の了承をとっておくと安心です。
子どもに渡る人形は部品と素材を確かめる
小さな子どもが手にする人形は、目や鼻を刺繍にすると安心です。消費者庁によると3歳児の口は直径約4cmで、これより小さな部品は誤飲や窒息のおそれがあります。
乳幼児向けのおもちゃにあたるぬいぐるみは、食品衛生法の「指定おもちゃ」として材料の基準の対象です。大人に配る場合でも、多くの人に渡り子どもの口に触れる可能性があれば対象になると国のQ&Aは示し、飾る目的で乳幼児向けと見えない作りのものは対象外としています。
3歳未満向けに作るおもちゃは、2025年12月25日から国の基準への適合と、子供PSCマークなどの表示が義務になりました。対象年齢を決め、材料が基準に合うかを制作会社に確かめましょう。マークの見方はSTマークとぬいぐるみの安全基準にまとめています。
RONECTでオリジナル人形を作る場合
RONECTでは、布の人形(ぬいぐるみ)を1個から量産まで作っています。絵が固まっていない段階から、完成イメージを見ながら相談できるのも特長です。
1個の記念品から100個以上の量産まで
RONECTは、1体だけの記念の人形から、イベントで配る100個以上の量産まで受けています。企業や団体だけでなく、個人の1点ものや、チーム・園の人数分の記念品もご相談ください。
サービスページの制作事例には、動物のほか、女の子や赤ちゃんの形、長い髪や服を着たぬいぐるみも並んでいます。人の形の例は、女の子のぬいぐるみの制作のページをご覧ください。
1個のときの料金は、大きさや作りをうかがってから見積もります。
AIの完成イメージ画像を無料で作れる
サンプルを作る前に、AIを使った完成イメージ画像を無料で作り、仕上がりを確かめられます。社内での説明や家族との相談にも使えて便利です。なお、AIの画像はあくまでイメージで、実物とは形や色が違う場合があります。
キャラクターの絵がまだ無くても大丈夫です。RONECTのデザイナーと一緒にゼロから考えられ、進め方はデザイン作成の流れのページにまとめています。
日本人の担当者が工場と直接やり取りする
中国の提携工場と直接やり取りするのは、中国語ができる日本人の担当者です。間に別の業者を挟まないので、余分な費用を抑えられます。
表情や色の細かな直しも、担当者が内容をつかんだうえで、中国語で工場に伝えます。思っていた人形と違う、という行き違いを減らせるのは心強いですよね。
相談だけならお金はかかりません。「こんな人形は作れる?」という段階でも、気軽に問い合わせてみてください。
まとめ
抱く・持ち歩く・配る使い道なら、オリジナル人形は布で作るぬいぐるみが向いています。1体なら自作や作家、同じ顔でそろえるなら制作会社が合うでしょう。RONECTの参考料金では手のひらサイズを100個頼むと1個1,000〜1,800円ほど、期間は約2〜3か月が目安です。
まずは人形の絵と、大きさ・数・届けてほしい日をメモにまとめて、見積もりを頼んでみてください。
株式会社RONECTでは、オリジナルぬいぐるみを1個から、100個以上の量産まで承っています。完成イメージの作成から、お気軽にご相談ください。

